FX/為替「ドル/円、米インフレ鈍化も反応薄 次の材料を探す」 外為どっとコム トゥデイ 2025年5月14日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年5月14日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼13日(火)の為替相場
(1):加藤財務相「為替について協議を進めることも追及」
(2):英週平均賃金が鈍化
(3):独ZEWは改善
(4):米CPI 伸びが鈍化
(5):米大統領「インフレは見られない」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感を模索/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
13日(火)の為替相場
期間:13日(火)午前6時10分~14日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):加藤財務相「為替について協議を進めることも追及」
加藤財務相は閣議後の会見で、来週カナダで開かれるG7会合でベッセント米財務長官と「引き続き為替について協議を進めることも追及していきたい」と語った。
(2):英週平均賃金が鈍化
英1-3月週平均賃金(除賞与)は前年比+5.6%と市場予想(+5.7%)を下回り、前月(+5.9%)から鈍化。同失業率は4.5%と予想通りに12-2月(4.4%)から上昇した。なお、英4月失業保険申請件数は0.52万件、同失業率は4.5%だった。
(3):独ZEWは改善
ドイツ5月ZEW景気期待指数は25.2と前月の-14.0から上昇。ZEW(欧州経済センター)は「(ドイツに)新政権が発足し、関税紛争にも一定の進展が見られ、インフレ率も安定していることから、楽観的な見方が増えている」との見解を示した。また同時に発表されたユーロ圏5月ZEW景況感調査は11.6と前月(-18.5)から改善した。
(4):米CPI 伸びが鈍化
米4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%、前年比+2.3%とともに市場予想(+0.3%、+2.4%)を下回った。前年比は2021年2月以来の低い伸びだった。また価格変動の大きい生鮮食品やエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.2%と市場予想を下回った一方で、前年比は+2.8%と予想通りだった。米国の相互関税発動前に駆け込み輸入が多かったことから、関税の影響による企業の価格転嫁はもう少し後との見方が大勢となったため、市場への影響は限定的だった。
(5):米大統領「インフレは見られない」
トランプ米大統領は自身のソーシャルメディアで、「インフレは見られない、ガソリンやエネルギー、食品などほぼすべての価格は下落している!」「FED(連邦準備制度)はヨーロッパや中国がしたように利下げをしないとならない」「『遅すぎるパウエル』は何をしているんだ?」などと投稿した。
13日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:方向感を模索
昨日のドル/円は終値ベースで約1円下落。前日に急騰した反動からポジション調整による円の買い戻しが優勢となった。なお、NY時間に発表された米4月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%と2021年2月以来の低い伸びだった。ただ、米国の相互関税発動前の駆け込み輸入の影響が大きく、企業が価格転嫁に動くのはもう少し後との見方が大勢となったため市場への影響は限られた。
米中貿易摩擦懸念の後退によるリスク選好の動きが一巡したことで、市場は次の材料待ちの状態となっている。本日は米国にて連邦準備制度理事会(FRB)理事らの講演が予定されているが主要経済指標の発表はない。148円台前半から上では売りが出やすいと見るが、146円台前半は米中合意前の水準であることから、そこまでの下落も考えにくい。次の材料を待ちながら方向感を模索する動きとなりそうだ。
注目の経済指標:豪賃金指数
注目のイベント:FRB理事発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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