【これからの見通し】米長短期債利回りの逆転現象が定着化するか
【これからの見通し】米長短期債利回りの逆転現象が定着化するか
今月に入ってから米2-10年債利回りの逆転現象が散見されているが、一時的な動きにとどまることが多かった。しかし、今週は27日から現在に至るまでしっかりと逆転現象が継続しており、今後この状況が定着化しそうな気配となっている。一般的には長期債利回りの低下が主導する場合、今後の景気後退が懸念される現象とみられている。ただ、前日の米株式市場が堅調に推移したように、イメージ論による相場展開は一巡しているようだ。今後は、経済データの分析を通して景気後退に至るような兆候があるのかどうかを丁寧にチェックしていくことが必要となりそうだ。
そのようななかで、月末に向けては米経済指標の発表が相次ぐ。きょうは、米実質GDP・改定値(第2四半期)とその関連指標(個人消費、デフレータなど)、米新規失業保険申請件数(24日までの週)、米卸売在庫・速報値(7月)、米中古住宅販売成約指数(7月)などが発表される。米債券市場では米7年債入札(320億ドル)が実施される予定。
米GDP改定値は前期比年率+2.0%と予想されており、速報値の+2.1%からは小幅に下方改定される見込み。個人消費は前期比年率+4.3%と速報値と変わらずの予想。デフレータは+2.4%、コアデフレータは+1.8%と速報値を同水準の予想となっている。一連の予想数値からは、特段の景気後退の兆候はみられないだろう。
その他には、ドイツ消費者物価指数・速報値(8月)、カナダ経常収支(第2四半期)などが発表される予定。ドイツ消費者物価指数は、米国と対照的に経済状況が弱含んでいるドイツの物価指標とあって、事前予想を下回る結果となれば、ユーロ売りに反応しそうだ。事前予想は前月比-0.1%、前年比+1.5%となっている。カナダ経常収支は、-97.5億カナダドルと予想されており、前回の-173.5億カナダドルからは赤字幅の縮小が見込まれている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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