ドル円一時106円手前まで上昇、トランプ発言が買戻し誘う=ロンドン為替概況
ドル円一時106円手前まで上昇、トランプ発言が買戻し誘う=ロンドン為替概況
26日のロンドン市場は、円売りが優勢。米中貿易戦争の激化を懸念して週明けのオセアニアおよび東京市場早朝には円高の動きが強まった。トルコリラ円が急落するなどパニック商状もみられた。ドル円は104.46レベルまで急落。しかし、その後は円買いが一巡して次第に値を戻した。ロンドン朝方には105円台前半で取引を開始、米債利回りが1.44%台まで低下、欧州株や米株先物もマイナス圏で取引された。しかし、「昨日、中国側から交渉を再開したいと米国担当者に連絡あった」とのトランプ発言でムードが一気に好転。欧州株や米株先物がプラスに急転、米債利回りも上昇した。ドル円は105.99レベルまで高値を伸ばした。クロス円も円安方向に動き、ユーロ円117円台後半、ポンド円130円台乗せまで上昇。ユーロドルやポンドドルはドル買いの動きに押された。ただ、先週末の水準を回復するには至らず、ポジション調整の動きがあぶり出された格好となっている。トランプ発言について、中国側は電話会議を否定しているが、ドル円は105円台後半にとどまっている。
ドル円は105円台後半での取引。東京早朝に104.46レベルまで急落した後は買い戻しの流れとなった。東京市場では105.80近辺まで一時反発したが、その後は午後にかけて105.10台まで再び下げた。米10年債利回りが1.44%近辺まで低下したことがドル売り圧力となった。しかし、ロンドン序盤には「昨日、中国側から交渉を再開したいと米国担当者に連絡あった」とのトランプ発言でムードが一気に好転。ムニューシン米財務長官からも「中国からのコメントを歓迎、協議の継続を期待」との発言があった。欧州株や米株先物がプラスに急転、米債利回りも上昇した。ドル円は105.99レベルまで上昇。前週末から週明け早朝にかけてのドル売りの動きに巻き返しの動きが続いた。ただ、中国側が電話会議について否定したこともあり、上昇は一服。105円台後半でNY市場待ちとなっている。
ユーロドルは1.11台前半での取引。東京市場では1.1150近辺と前週末からの高値圏で揉み合ったが、ロンドン市場では売りに押されている。米債利回りの低下が一服したことが圧迫材料となり、1.1110レベルまで下押しされた。ユーロ円はドル円に沿った値動き。117円台前半からトランプ発言後には117.91レベルまで高値を伸ばした。その後の下げは117.50近辺までにとどまり、117円台後半で推移している。この日発表された8月独Ifo景況感指数は94.3と前回の95.8から一段と低下し、今年に入ってからの最低水準を記録した。Ifoエコノミストは、製造業はリセッション、サービス業は追随へ、と悲観的だった。足元の貿易戦争の動きは、最新の調査結果には反映されていない、とも指摘していた。G7に関連してトランプ米大統領は、EUと貿易について議論した、としている。仏産ワインへの米関税、デジタル課税巡る協議次第、と圧力をかけていた。
ポンドドルは1.22台前半での取引。東京市場での1.2270-80レベルでの揉み合いを下放れて1.2233レベルまで下落した。その後も安値付近での推移となっている。一方、ポンド円は堅調。129円ちょうど近辺がサポートされており、一時130.09レベルまで買われた。トランプ発言とともに株高、債券利回り上昇などリスク回避の動きが後退したことが円売り圧力およびドル買い圧力となっていた。ポンド相場独自の値動きは希薄だった。きょうはロンドン市場はサマーバンクホリデーのため休場となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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