【これからの見通し】米中貿易戦争激化が人民元安、リスク回避の円高に波及
【これからの見通し】米中貿易戦争激化が人民元安、リスク回避の円高に波及
週明けは波乱の相場展開となっている。先週の米中閣僚級通商協議の終了したあとに、トランプ米大統領が対中追加関税第4弾を表明したことが市場にネガティブ・サプライズを広げた。週明けには人民元相場が急落、対ドルで7台を大きく上回るドル高・人民元安の状況となっている。オフショア人民元は対ドルで最安値を更新した。さらに、中国側からは国営企業に対して米国産農産物を購入しないよう要請との報道も加わった。週明けの株式市場は大幅安。日経平均は一時500円安、香港株や上海株も大幅安となっている。午後には下落の勢いは一服しているが、戻りは限定的。
この後の海外市場では、非製造業業関連の経済統計発表が相次ぐ。ドイツ非製造業PMI・確報値(7月)、ユーロ圏非製造業PMI・確報値(7月)、英非製造業PMI(7月)、米ISM非製造業景気指数(7月)など。その他では、トルコ消費者物価指数(7月)が発表される。発言関連では、ブレイナードFRB理事の講演が予定されている。なお、カナダ市場は「市民の日」の祝日で休場。
為替市場では、人民元安・ドル高の影響がリスク回避圧力として広がっている。ドル円は105円台後半、ユーロ円は117円台後半、ポンド円は128円台前半、豪ドル円は71円台後半などへとそれぞれ下落。いずれも先週末から一段安となり、大台替わりとなっている。
特に、足元ではポンド安の動きが目立っており、週明けのロンドン市場での動向が注目される。合意なき離脱への警戒感が引き続きポンド売りのテーマとなっているもよう。東京市場での円高の動きは一服しているが、ポンドのほかにもリスク材料が出てくる可能性があり、戻りが鈍ければ再び円買い圧力が強まることには注意したい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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