【これからの見通し】豪物価の伸び悩みで利下げ観測台頭、カナダ中銀はどうか
【これからの見通し】豪物価の伸び悩みで利下げ観測台頭、カナダ中銀はどうか
東京市場では豪ドルが売り込まれた。東京午前に発表された第1四半期の豪消費者物価指数が各項目で伸び悩んだことで、金利市場で今後の利下げを織り込む動きが強まったことが背景。5月利下げ確率が前日の10%台から55%近辺へと急上昇している。前日の海外市場では、全般にドル高圧力が広がったこともあり、今週金曜日に発表される米GDPをにらんで、しばらくはドル買い先行の相場展開となる可能性があろう。
金利関連ではきょうはカナダ中銀の政策金利発表が予定されている。これまで通り1.75%での据え置き見通しが大勢。焦点は声明の内容となる。前回3月6日の会合では「利上げの時期の不確実性が高まった」との文言が、市場での利上げ観測の後退につながった。これを受けて、カナダドルが下落した経緯がある。きょうの会合では、このフォワードガイダンスが踏襲されるのか、さらにハト派色を強めるのかどうかがポイントとなりそうだ。きょうは米週間石油在庫統計の発表も予定されており、原油市場で注目される。カナダドルにとっては材料の多い一日となりそうだ。
この後のロンドン・欧州市場では、ドイツIfo景況感指数(4月)、英公共部門ネット負債(3月)などの経済指標が発表される。ドイツ景況感は先日のPMIの弱さが記憶荷新しい。きょうのIfo景況感指数は99.9と予想されており、前回の99.6から改善する見込み。100以上となれば、ユーロ相場も反応しそうだ。
英国では経済統計よりもEU離脱をめぐる動向が引き続き注目されそうだ。英政府と労働党との協議が継続している。ただ、具体的な妥協案への糸口はなかなか出てこない。ドル高地合いのなかで、ポンド売りが先行しやすい環境になっているようだ。
ドル円は112円台が引き続き重い。10連休を控えて輸出企業からのドル売り・円買い注文が意識されやすくなっている。一方で、本邦企業による米欧企業への投資・買収などの案件も報じられており、案外下値も堅い。動きにくい相場展開が続きそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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