今週のまとめ4月15日から4月19日の週
15日からの週は、週を通じてドル円がわずか41銭レンジにとどまるなど、方向感の見られない展開に。米中の景気回復期待などがドル買い円売りを誘い、3月6かにつけた年初来高値をわずかながら行進するなど、ドル高の動きが見られたが、イースターウィークで海外勢の取引が低調となったこともあり、112円台からの買いに慎重な姿勢が見られ、112円前後でのレンジ取引を大きく逸脱する動きにはならなかった。ユーロドルは1.13前後の狭いレンジでこちらももみ合いが続いていたが、18日に発表された欧州PMIがかなり弱めとなったことで、いったん売りが強まる展開に。ユーロドルは1.1220台まで値を落としてのもみ合いに。18日の米小売売上高の好結果などにもみられる直近の米指標の強さに、米景気の底堅さが印象付けられていることで、冴えない欧州経済との対照的な状況が売りを誘った。資源国通貨はまちまち。中国指標の強さなどに買いが出る場面が見られたが、動きが続かず。NZドルは17日に発表された第1四半期消費者物価指数が予想を下回ったことで一気に売りが出る場面が見られ、その後中国経済への期待で回復も、週後半にかけて安値圏に値を落とすなど頭の重い展開に。
(15日)
東京市場は、小動き。ドル円は112円挟みでの取引。朝方に112円割れも株高の動きなどで112.10レベルとわずかに金曜日の高値を更新した。その後は再び111.90台に軟化し、やや上値が重い値動きに。ユーロドルは1.13前後での揉み合いになかで一時1.1310台に上昇。リスク選好のユーロ円の買いが下支えした。ポンドドルは1.31台へと小高い。先週末に中国の貿易統計や与信の拡大報告などに買いが入った豪ドルは、週明け落ち着いた動き。
ロンドン市場では、狭いレンジでの揉み合い。ドル円は112円台の重さを意識して東京市場の午後からロンドン市場の朝方にかけて調整売りの動きも見られたが、111.80台までと動きは限定的。その後は112円前後まで。ユーロドルは1.1300-20レンジで揉み合い。ユーロ円などのクロス円も基調はしっかりも値幅は限定的。ユーロ円は一時東京午前の高値を超える場面が見られたが流れは続かなかった。 イスタンブール市長選をめぐる混乱などが嫌気されて週明けの東京市場でも売りが目立ったトルコリラは、ロンドン市場の朝方まで軟調地合いが継続も、その後は少し買い戻し。リラ円は19.23まで。 中国経済指標動向を受けて先週末に買いが入った豪ドルは、東京市場同様に狭いレンジでのもみ合い。対ドルで0.7170台を中心した取引に終始した。
NY市場で、ドル円は112円ちょうど付近での振幅が続いた。朝方発表のNY連銀景況感指数が予想を上回ったことからドル円は112円台に再び上昇したものの上値抵抗が強い。きょうはゴールドマンの決算を受けて米株が軟調に推移しており、ドル円の上値を抑えていた面も。米国債利回りも低下していた。ユーロドルは戻り売りに押されて、一時1.12台に値を落とした。その後はかろうじて1.13台を回復。ポンドは対ユーロなどで堅調。ひとまず合意なき離脱が遠のいたことが下支え。ただ、先送りは政治リスクを増すとの見方もあり不安定。カナダドルが軟調。カナダ中銀が発表した第1四半期の企業景況感調査が2016年以来のマイナスに落ち込んだことが背景。
(16日)
東京市場では、豪ドルが軟調。豪中銀理事会議事録(4月2日開催分)において、利上げの可能性は低い、利下げの可能性について議論、との内容が示されたことが背景。市場では、当面の金利変更には否定的も、ややハト派的な内容との認識が広がり、豪ドル/ドルは0.7170近辺から0.7140近辺まで下落。ドル円は112円を挟んで小動き。112円に乗せると買いに慎重な姿勢がみられた。ユーロなどその他主要通貨も揉み合い商状。
ロンドン市場は、ユーロ売りが先行した。欧州株が堅調に取引を開始、米株先物も上げ幅を拡大し、序盤はやや円売りが入った。ユーロ円126円台後半、ユーロドル1.13台乗せと小高く推移した。独ZEW景況感指数は予想を上回り約1年ぶりにプラス圏を回復した。しかし、一部報道で複数のECBメンバーが年後半の成長回復に懐疑的な見方を示していると伝わるとユーロ売りが強まった。ユーロ円は126.20近辺、ユーロドルは1.1280近辺まで下押し。その後は、ECBは一段の利下げを検討していないとの報道でユーロの下げは一服。その他主要通貨は小動き。ドル円は111.90近辺での揉み合い。ポンドドル1.3080近辺、ポンド円146円台半ば。英賃金上昇はしっかりも、反応薄。豪ドルは東京市場からの安値圏で揉み合い。
NY市場は、ドル買いが優勢。朝方発表の米鉱工業生産は予想外の減少となり、第1四半期の製造業の生産の弱さが確認された。一方、米国債利回りは上昇しており、ドル相場をサポートした。前日のシカゴ連銀総裁やボストン連銀総裁の発言からは利上げの可能性も残しているとみられていた。市場ほど弱気ではないようだ。ユーロドルは売りに押されて1.12台へと軟化。ポンドドルは1.30台半ばに下落。英EU離脱が10月末まで延期になったことで、年内利上げはないとの観測があるようだ。メイ政権と野党労働党の交渉が行き詰まっていることも重石。そのなかで、ドル円は112円ちょうど付近での膠着相場が続いた。
(17日)
東京市場で、ドル円は112円を挟む展開。前日の海外市場での下げが111.85近辺までにとどまったこともあり、朝方は堅調な動き。一時112.17レベルと、今年の高値を広げた。しかし、その後は112円挟みに落ち着いた。中国の第1四半期GDP、3月小売売上高と鉱工業生産がいずれも予想を超える好結果となり、中国の景気鈍化懸念が後退。クロス円主導で買われた。ユーロ円126円台後半、ポンド円146円台前半、豪ドル円80円台後半へと上昇。NZドルは早朝の同国消費者物価指数が予想を下回ると売りが強まったが、中国指標発表後は値を戻した。
ロンドン市場は、ユーロ買いが先行。東京午前に発表された一連の中国経済指標が予想を上回ったことで、市場に安心感が広がった。ロンドン序盤にはユーロドル1.1324レベル、ユーロ円126.81レベルに高値を更新した。豪ドルとともにユーロが買われた背景には近年、EUと中国が接近しており、経済関係の深化を模索していることがある可能性も。欧州株は総じて堅調。ただ、取引中盤にはユーロ買いは一服している。独政府は正式に2019年の成長見通しを従来の1.0%から0.5%に引き下げたが、事前に何度か報じられたことでもあり目立った反応はなかった。ポンド相場は若干下値を広げたが、値動きは限定的。3月英消費者物価指数の伸びは前年比1.9%と前回並み水準にとどまった。ドル円は112円挟みの揉み合い。
NY市場は、ドル円が112円ちょうど付近で膠着。2月の米貿易赤字は予想外に縮小し8ヵ月ぶりの低水準となっていた。航空機の輸出急増が赤字縮小に寄与したもよう。737MAXの影響があることから今後は未知数だが、今回の結果を受けて来週発表予定の米GDP速報値の見通しを上方修正する向きも出ているようだ。ただ、反応は限定的。後半になって米WSJが米中は通商協議で早ければ5月下旬の合意書への署名を目指すと伝えていた。ドル円も若干買いの反応を見せたものの、ニュースの割には反応は鈍かった。ユーロドルは1.13台前半から大台割れ水準へと小安い。ポンドは小動き。ポンドドル1.3040近辺、ポンド円146円台前半での揉み合い。英議会はイースターに向けて休会しており、手掛かり難。
(18日)
東京市場は、ドルが軟調。あすの海外市場がイースターのため休場となることから調整ムードが広がった。株安・米債利回り低下などを受けてドル円は112円台を割り込む動き。一時111.80台に。ユーロドルは小動きだが、午後には1.13台を回復する動き。その他目立ったところではドル/人民元の買い戻しが優勢だった。オフショア人民元の売りが主導。上海・香港株は売りが優勢。
ロンドン市場では、ユーロ売りが広がった。欧州の3月PMI速報値の弱い側面に反応。フランス製造業PMIが予想外の50割れとなったことでユーロ売りが開始。続くドイツでも製造業PMIが下振れしたことで、同非製造業PMIの改善は帳消しにされ、ユーロ売りが強まった。さらにユーロ圏では製造業、非製造業がともに予想を下回り一段安に。ユーロドルは1.13近辺から1.12台半ばへ、ユーロ円は126円台前半から125円台後半へと下落した。ドル円は111.77レベルと今週の安値を更新。ポンドドル、ポンド円も連れ安。英国では3月小売売上高が強含み、ポンドは一時反発したが、すぐに上値を抑えられた。イースター休暇を控えて欧州株やNY原油先物も調整売り圧力に押されている。米債利回りも低下。
NY市場ではドルが堅調。米小売売上高が予想を超える好結果となりドル買いを支えた。112円台からの買いに慎重な姿勢が見られるドル円での反応は一息も、ユーロドルはロンドン市場での下げ基調を強め1.1220台を付ける動きに。英紙がトルコの外貨準備に関する懸念を示したことなどをきっかけとしたリラ売りの動きがNY市場でも見られ、ドルリラは一時5.85台まで。
(19日)
東京市場は海外市場がほぼ休場となる中で調整ムードが広がり、112円台から111円90銭近辺に。もっともこの後の欧米市場が休場、東京市場の時間帯もシンガポール、香港、豪州、NZなど他の主要アジア市場、オセアニア市場が休場で参加者が少なく落ち着いた動きに。ドル円は若干頭が重いものの値幅は小さいものにとどまっている。
ロンドン市場、NY市場は休場。

執筆者 : MINKABU PRESS
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