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為替相場まとめ1月19日から1月23日の週

為替 

 19日からの週は、前週から引き続き政治相場になっている。海外ではトランプ大統領がデンマーク自治領グリーンランドの領有を主張し、欧州との対立が先鋭化した。首を縦に振らない欧州に対してトランプ大統領は関税賦課で脅した。対抗して欧州側も報復措置の用意があるとした。市場では今後の対する不透明感が高まるなかで「米国売り」(米株安・米債券安、ドル安)の構図が強まった。しかし、ダボス会議でのトランプ演説をきっかけに米国売り相場は収束の方向に向かった。NATOに関する大枠について合意、武力は使わない、米関税発動を見送るなどとした。円相場は「高市トレード」が中心となった。19日に高市首相が解散・総選挙日程を発表した。与野党いずれも消費減税を標榜したことで、一段と財政継続性に対する不透明感が高まった。本邦長期国債が売られ(利回り上昇)、日本株は続落した。円相場については日本売りによる円売りと株安による円買いが神経質に交錯した。そして、週末の日銀決定会合では市場予想通り政策金利が据え置かれた。展望レポートでは2026年度の経済成長見通し、物価見通しの上方修正が見られたが、市場の反応は限定的にとどまった。会合後の植田日銀総裁の会見は、従来の姿勢を基本的に踏襲するものであったが、市場は3月利上げの可能性が後退したとして円売りで反応。158円台後半から159円23銭まで上値を伸ばした後、レートチェックが疑われる動きに157円37銭へ急落。その後158円台に戻した。



(19日)
東京市場では、ドル円が上下動。午前中にリスク回避の円買いが強まり157.43円付近まで下落したが、昼前には朝の水準である157.90円前後まで戻す往って来いの展開となった。午後は157.76から157.96円の狭いレンジで推移した。背景にはグリーンランド問題を巡るトランプ大統領の強硬姿勢があり、16日に示唆した追加関税を17日に欧州8カ国へ2月1日発動の10%関税として正式発表したことがある。EU側は930億ユーロ規模の報復関税を検討していると報じられ、世界的にリスク回避の動きが広がった。一方で、発動までの撤回期待も浮上し反発した。ユーロドルは1.1573ドル付近の安値から1.1638ドルまで上昇し、先週金曜の高値を超えた。ポンドドルも1.3331ドル付近から1.34ドル台へ反発。ユーロ円は182.63円付近から183.70円台へ1円超上昇し、円高一服とユーロドル上昇が支えとなった。ポンド円も210.63円付近から211.62円付近へ戻した。

 ロンドン市場では、高市首相の解散総選挙正式表明による円安期待と、トランプ関税問題による欧州株大幅安・リスク回避が拮抗した。ドル円は東京午後の157.80円近辺から序盤に158.17円付近まで上昇した後、158円台を挟んで売買が交錯した。高市首相は「1月27日公示・2月8日投開票」「責任ある積極財政」「2年間の食品消費税ゼロ」などを公約に掲げ、市場では「高市トレード」が意識された。一方、グリーンランド問題で米欧の対立が深まり、欧州株は大幅安となった。ユーロ円は183.85円付近の高値後、183円台半ばから後半で推移。ポンド円は212.02円付近の高値後、211円台後半で上昇が一服した。ユーロドルは1.16ドル台前半、ポンドドルは1.34ドル付近で揉み合い。政治リスクが意識され神経質な取引が続いた。

 NY市場はキング牧師生誕記念日の祝日で休場となった。

(20日)
 東京市場では、日本売りと米国売りが同時進行し、円、日本株、日本国債が下落した。日本国債40年債利回りは史上初の4%台に乗せた後4.2%台へ急騰し、30年・20年債も大幅に利回りが上昇した。高市首相の食品消費減税方針で財政赤字懸念が再燃し、日本売りが勢いづいた。米国売りも強まり、米株先物はダウが1%超安、ナスダックが1.4%安となり、米債売り(利回り上昇)でドルは全面安となった(ドル円を除く)。ドル円は158円を挟んで一進一退だったが、欧州勢参入後は円売りが優勢となり158.44円まで上昇した。ユーロドルは午前の1.1630ドル台から午後には1.1673ドルまで上昇し、ポンドドルも1.3410ドル前後から1.3450ドルへ上昇。クロス円も堅調で、ユーロ円は183.70円から184.83円へ、ポンド円は211.80円から212.89円へ上昇した。ドルインデックスは99.10から98.80へ低下した。

 ロンドン市場では、日本売りと米国売りが激しく交錯し、ボラティリティが高まった。高市首相が消費税ゼロを2年間維持すると表明し、40年債利回りは4.212%の記録的高水準となり円売りが優勢となった。一方、ダボス会議でベッセント財務長官が「欧州は米国債を売らない確信がある」と発言したことがかえって疑心暗鬼を招き、米債利回りが上昇する「悪い金利上昇」でドルが急落。ドル円は158.60円付近の高値から157.56円までストップロスを巻き込み急反落した。欧州株は米欧対立懸念で続落したが、為替ではドル売りの受け皿としてユーロとポンドが買い戻された。ユーロドルは1.1733ドル、ポンドドルは1.3491ドルまで上昇。ユーロ円は185.21円の高値後、ドル円の下落につれ184円台後半から185円前半で推移。ポンド円は213.50円から212円台前半へ調整。ユーロポンドは0.8670から0.8714へ上昇した。

 NY市場では、米欧対立が激化しドル安が優勢となった。ドル円は一時157.50円まで下落した。グリーンランド問題を巡り米株が大幅安となり、米国債売りで利回りが急上昇した。デンマークの年金基金が米国債投資からの離脱を表明し、日本国債利回り上昇も波及した。ベッセント米財務長官は片山財務相と協議し、日本側の市場安定姿勢を確認した。ユーロドルは1.17ドル台半ばまで上昇し、ユーロ円は185円台とユーロ発足以来の高値圏となった。ポンドドルは1.34ドル台後半、ポンド円は213円台から212円台前半へ調整。英雇用統計は弱く、賃金も低水準で英中銀の利下げ観測が強まった。日銀会合は据え置き確実とみられ、植田総裁会見での利上げ示唆や金利変動への言及が注目された。

(21日)
 東京市場では、ドル円が午前にリスク回避的な円買いで急落した後、午後に反発した。日銀会合やダボス会議でのトランプ大統領演説を控え、様子見ムードが強まった。10年債利回りは前日の2.35%から午前に2.34%へ上昇した後、午後には2.27%へ低下した。ベッセント長官の日本国債への言及や三井住友FGの国債ポートフォリオ増加示唆が円安方向に作用した。ユーロドルは1.17ドル前半で落ち着き、ポンドドルは1.34ドル台で推移。ユーロ円は185.54円の高値をつけた後、利益確定売りで185.09円まで下落。ポンド円は212円台半ばで推移した。

 ロンドン市場では、ドル買い戻しが優勢となった。ドル円は157.82円の安値から158円台へ回復した。ユーロドルは1.17ドル前半から1.17ドル近辺へ軟化し、ポンドドルも1.34ドル半ばから1.34ドル前半へ調整した。ダボス演説前で米国売りが一服し、ベッセント長官の発言を受け米長期債が買い戻され利回りが低下、米株先物も反発した。高市トレードによる円債売りも、野党や米財務長官の要求、メガバンクの国債増加報道で長期債利回りが低下し、クロス円は調整した。ユーロ円は184.82円、ポンド円は211.80円まで下落。英12月CPIは前年比3.4%と加速したが、コアは3.2%で前回並みだった。トランプ演説について欧州首脳や中銀が警戒しており、予断を許さない状況となっている。

 NY市場では、トランプ大統領のダボス演説が注目された。演説ではグリーンランド問題について「武力行使なし・対欧州関税段階引き上げ見送り」が示され安心感が広がり、ドル買い戻しが進んだ。ドル円は158円台半ばまで上昇。米欧対立や日本の財政懸念、FRB独立性への不安は残るものの、為替は落ち着き158円台のレンジが続いた。160円台も視野に入る一方、脱ドル化やFRB利下げ観測も根強い。ユーロドルは1.16ドル台へ下落し、ユーロ円は185円台半ばから185円近辺へ調整。ポンドドルは1.34ドル台、ポンド円は211円台から212円台へ上昇した。ユーロの強気オプションは実需・投機ともに急増し、昨年8月以来の急反転となった。英CPIは5カ月連続で加速したが、サービス価格は4.5%と小幅で、春の予算で抑制される見込み。英中銀の利下げは第2四半期に1回ずつ織り込まれている。

(22日)
 東京市場は、円が全面安。ドル円は158.74円付近まで円安・ドル高が進行。本日始まった日銀会合での金利据え置き観測に加え、S&Pが高市政権の政策による財政悪化や格付け変更のリスクを指摘したことが嫌気された。円債市場では超長期ゾーンに買い戻しが見られたが、利回り上昇への警戒は続いている。クロス円も軒並み上昇。豪ドル円は、良好な雇用統計を背景に来月の利上げ観測が高まり、108.04円付近と昨年7月以来の高値を更新した。ユーロ円も185.58円付近で最高値を更新し、ポンド円やNZドル円も値を上げた。来週の米FOMCを前に、日本の政策や財政懸念を背景とした円主導の相場となった。

 ロンドン市場は、比較的落ち着いた相場展開。昨日のトランプ演説を無事通過して市場の警戒ムードは一服,
本日は世界的に株式相場が上昇。米債売りの動きも一服している。そ東京市場では円売りが優勢となっていたが、ロンドン時間に入るとその動きにもやや調整が入っている。ただ、欧州株も堅調で、円買い圧力は限定的。ロンドン中盤にはポンド売りが入る場面があった。スターマー英首相のライバルと目されるアンディ・バーナム氏が議員に復帰する動きが報じられており、英債の下落とともにポンド売り反応がみられた。ドル円は158円台後半から半ばへ、ユーロ円は185円台後半から半ばへと反落。ポンド円は213円台半ばが重くなると212円台後半へと下落。ユーロドルは1.16台後半から1.17付近へと上昇。一方、ポンドは上記ニュースで1.34台前半から半ばで上下動。

 NY市場でドル円は一時158円前半に値を落とした。この時間帯ん入ってドル安の動きが優勢となったことから、ドル円も戻り売りに押される展開となった。明日の日銀会合を前に、行き過ぎた動きにも警戒感が出ていた。ドル安の流れからユーロドルは1.17ドル台半ばに上昇。ユーロ円は対ドルの買いとドル円の下げが交錯も、ユーロ高の勢いが勝る展開で一時186円台を付け、ユーロ発足以来の高値を更新した。

(23日)
 東京市場でドル円は158円台で比較的しっかりした動きとなった。158円30銭台で東京朝を迎えると、日銀金融政策決定会合の結果発表を前に円売りが優勢となり、158円60銭台まで上昇した。158円50銭台までやや値を落として日銀会合の結果発表を迎えると、いったん円売りが強まり158円74銭を付けたが、すぐに発表前の水準に戻すなど、反応は限定的なものにとどまった。午後は比較的落ち着いた動きが続き、15時半からの植田日銀総裁の会見待ちとなっている。日銀会合は、市場予想通り政策金利の現状維持を決定。展望レポートでは2026年度の経済成長見通し、物価見通しがともに上方修正と、ややしっかりしたものとなった。特に物価見通しは、ガソリンの暫定税率が12月31日で廃止されたことによる下押し圧力が加わっている中での上方修正となっており、やや力強いものとなったが、市場の反応は特に目立たなかった。ユーロドルは1.1750ドルを挟んでのレンジ取引に終始。ユーロ円はドル円の上昇もあり、朝の186円10銭台から186円46銭まで上値を伸ばした。

 ロンドン市場は植田総裁会見後に円安が進行。その後急落するなど荒っぽい展開となった。植田日銀総裁の会合後の会見では、「利上げ後も金融環境は緩和した状況が維持されていると認識」「物価鈍化の中でも基調インフレにより重きを置いて政策を決定」など、今後の利上げに向けた可能性を示唆しつつ、物価が見通しを超えてどんどん上昇していく状況にはないなどとも強調した。市場は早期の利上げはないとの見方を強める形で、会見中から円売りが拡大。ドル円は158円60銭台からドル高円安となり、159円台にしっかり乗せて159円20銭台を付ける展開を見せた。しかし、159円10銭台から一転してドル安円高となり、一気に157円30銭台を付けた。介入もしくはレートチェックの可能性を意識させる急落の後、158円台前半に戻してもみ合っている。介入が実施された場合、戻り局面で断続的に入ることが多いため、市場は「今回はレートチェックだったのではないか」との見方を強めている。クロス円も同様に荒い値動きとなった。ユーロ円は植田総裁会見を受けて186円30銭台から186円80銭台まで上昇。その後のレートチェックを疑われる円買いで184円80銭台を付けた後、186円ちょうど付近まで戻した。ポンド円は会見後に214円80銭台まで円売りが進み、その後212円50銭台を付けて214円台に戻している。英製造業・サービス業PMIが強い結果となったこともあり、ポンド円は安値からの戻りが大きくなっている。

 NY市場は、ドル円が急落し155円台まで下げを加速させた。1日としては約6カ月ぶりの大幅下落を記録。日本の当局が円安進行を食い止めるため、市場介入に踏み切る準備を進めているとの見方が広がっている。そのような中、NY連銀が主要銀行に対し、参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施した可能性が伝わっていた。NY連銀が介入を支援する準備を進めているのではないかとの憶測が広がった状況。本日2度目の急落は、ロンドン市場が終了し、取引の主戦場が米国へ完全に移ったタイミングで起きていた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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