ドル売りと円買いが優勢、米政府機関の一部閉鎖が現実化、米指標発表に支障=ロンドン為替概況
ドル売りと円買いが優勢、米政府機関の一部閉鎖が現実化、米指標発表に支障=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル売りと円買いが優勢。序盤は全般的にドル売りが優勢だった。ユーロドルやポンドドルの上昇が先行し、ユーロドルは1.17台前半から一時1.1758レベルまで上昇。ポンドドルは1.34台後半から一時1.3510レベルまで上昇した。 ドル円は日本時間午後3時半からの内田日銀副総裁の発言で146.90付近から147.38付近のレンジで上下動したあと、足元では全般的なドル売り圧力とともに安値を146.60レベルまで広げている。 米政府機関一部閉鎖の影響で、このあとのNY市場で発表予定だった米新規失業保険申請件数などの発表は延期されている。あすの米雇用統計発表も延期される公算が高くなっている。経済指標の発表延期は、米経済の現状を正確に把握する妨げとなり、市場に米ドルに対するネガティブなムードを広げているようだ。ロンドン時間にはドル円の下げとともにクロス円も軟調に推移している。ユーロ円は173円手前まで買われたあと、172円台前半へと下押し。ポンド円も198円台後半まで買われたあとは、197円台後半へと安値を広げる動き。内田日銀副総裁の発言について直近の日銀短観を評価する論調がみられたことが円買いを誘ったほか、米政府機関一部閉鎖の事態が長期化することへの警戒感もあるようだ。
ドル円は146円台後半での取引。東京午後に147.38付近まで買われる場面があった。内田日銀副総裁の全国証券大会でのあいさつの中で高値を付けている。しかし、その後は全般的なドル売りに円高も加わっている。ロンドン時間には146.60付近まで安値を広げた。内田日銀副総裁は「日銀短観、企業の景況感は米関税の先行き不透明感後退し、全体として良好な水準」と評価した。「経済・物価見通し実現していけば、引き続き政策金利を引き上げ」とも述べている。一方で、「見通しが実現していくか、内外の経済・物価や市場動向を丁寧に確認し、予断持たずに判断基調物価、展望リポートの見通し期間後半に目標と概ね整合的な水準で推移」と慎重な面もみせていた。
ユーロドルは1.17台半ばでの取引。東京早朝の1.1724付近を安値に買われ、ロンドン序盤には高値を1.1758付近に伸ばした。ユーロ円は上下動。東京早朝の172.50付近から東京午後には172.98付近まで買われる場面があった。しかし、その後はロンドン時間にかけて売りに転じると、安値を172.28近辺に更新している。対ポンドではロンドン時間に入って買われている。
ポンドドルは1.34台後半での取引。東京午前の1.3468付近を安値に、ロンドン序盤には1.3510付近まで高値を伸ばした。しかし、買いは続かず足元では1.3470台へと反落している。ポンド円はロンドン序盤に198.62付近まで買われたあとは、売りに流れが転じている。足元では安値を197.60付近まで広げてきている。ポンド売りの面もあり、ユーロポンドは0.87台割れから0.8720付近へと上昇。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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