【本日の見通し】方向性を探る展開も、ドル安期待がやや優勢か
【本日の見通し】方向性を探る展開も、ドル安期待がやや優勢か
イランとイスラエルの停戦合意を受けて、ドル高基調が一服している。ドル円は月曜日に一時148円台まで上昇したことで、上値一服感も出ている。昨日はイランとイスラエルの停戦合意を東京朝にトランプ米大統領が公表した後にドル売りが強まる展開。海外市場でもドル売りの流れが継続した。
パウエル米FRB議長による議会証言もドル売りにつながった。議長は関税が今後のインフレに与える影響について慎重な姿勢を崩さなかったが、物価が抑えられ、雇用が低迷する状況が見られると利下げする可能性に言及。これまでよりも利下げに前向きとの思惑がドル売りとなった。昨日の下院金融サービス委員会に続いて、今日は上院銀行委員会で議会証言が行われる。証言内容自体は同じものであるが、質疑応答でどこまで利下げについて話が出るか次第でドル売りがもう一段強まる可能性がある。
昨日発表されたコンファレンスボード消費者信頼感指数は、前回より強まるとの市場予想に反して、大きく低下した。エコノミスト予想はある程度幅があるが、すべての予想を下回る弱さとなっている。同指標は4月が86.0(その後85.7に下方修正)と約5年ぶりの低水準を記録したが、前回は98.0(その後98.4に上方修正)まで一気に回復を見せていた。今回はさらに強まるとの予想に反しての93.0への悪化となっている。この結果もドル売りにつながった。
こうした状況からドルは売りが出やすい状況となっている。一時後退していた追加利下げへの期待が広がっており、ドルの上値を抑えてきそう。145円ちょうど近くが重くなるようだと、売りが強まる可能性がある。
ユーロドルは1.16台に乗せてきている。底堅さが意識される展開。1.15台後半で買いが出る流れとなりそう。
ユーロ円はドル円の重さが上値を抑えるも、対ドルでのユーロ買いが支え。ドル主導の展開で上下に不安定な動きか。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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