ドル円、米CPIを受けて144円台前半まで一時急落=NY為替序盤
きょうの為替市場、ドル円はNY時間の早朝に145円台半ばまで上昇していたが、先ほど発表の5月の米消費者物価指数(CPI)を受けて急速に下落し、一時144円台前半まで下落する場面が見られた。米CPIは、総合、コア指数とも前月比0.1%上昇と予想を下回ったことで、市場では年内2回の米利下げ期待が復活。9月利下げの期待も75%まで確率を高めている。
市場は、先週の米雇用統計を受けて利下げ期待を後退させ、年内2回の利下げを織り込んでいなかった。しかし、本日の米CPIを受けてそれが復活している格好。ただし、FRBは関税の物価への影響を気にしており、利下げへの慎重姿勢に変化はないものと見られる。来週のFOMCに向けて、委員は今週から発言を控えるブラックアウト期間に入っているが、今後の動向を更に確認したい意向と見られている。
ロンドンで2日間に渡って行われていた米中協議が終了し、機微な製品の流通を再活性化させる枠組みを策定した。ただし、この枠組みにはトランプ大統領および習主席の承認が必要。トランプ大統領は投稿で、「中国とのディールが成立した。合意は習氏と私の最終承認次第」と述べた。また、米国の関税率は55%、中国は10%になるとも述べていた。
市場はいまのところ、関税自体には落ち着いた反応を示している。関税の影響が実体経済にどう反映されるかを当面は確認したい意向のようだ。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は145円に観測。
11日(水)
145.00(11.4億ドル)
12日(木)
143.00(12.8億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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