落ち着いた値動きのなかでややユーロ買い、米CPIや英予算計画待ちに=ロンドン為替概況
落ち着いた値動きのなかでややユーロ買い、米CPIや英予算計画待ちに=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、落ち着いた値動きになっている。そのなかではややユーロが堅調な動きをみせている。ユーロドルは1.14台半ばへ、ユーロ円は166円付近へと高値を伸ばしている。対ポンドでも堅調な動き。先週のECB理事会で当面の利下げ打ち止め感が出る一方、英国では昨日の雇用統計の鈍化やきょうの英予算計画発表を控えた不透明感などがみられている。全般的には米中貿易協議で一定の合意を見たことが市場の安心感につながっており、ドル円は145円台を回復。ユーロ円をはじめとしたクロス円も円安水準に動いている。対ユーロでは軟調なポンドも対円では196円手前へと再び買われている。ドル指数は小幅に低下。ポンドドルは1.34台後半から1.35付近へと下げ渋っている。株式市場は欧州株が小高く推移。一方、米株先物はやや調整売りに押されている。原油先物は米大統領のイラン交渉の行方に「自信を失っている」と発言したことを受けて急伸している。英予算計画の詳細発表や米消費者物価指数の結果待ちとなっている。
ドル円は145円台前半での取引。東京午前に144.66近辺まで下押しされる場面があったが、すぐに145円台に買い戻された。ロンドン朝方には145.25近辺に高値を伸ばしている。その後は再び145円割れとなったが、すぐに145円台を回復している。比較的小幅の値動きで、底堅く推移している。米10年債利回りは4.46%台から4.50%付近へと上昇している。
ユーロドルは1.14台前半での取引。東京市場では1.14台前半で上値重く推移し、1.14台割れ目前まで軟化したが、大台割れには至らず。ロンドン朝方の下押し局面では1.1405近辺までの下げにとどまった。その後は買いが優勢となり高値を1.1446近辺まで伸ばしている。ユーロ円は東京昼頃に165.39近辺を安値にその後は堅調に推移している。足元では166円台に乗せる動きをみせている。対ポンドでもユーロ買いが優勢。ECBが公表した賃金トラッカーでは年内の交渉賃金の伸び低下が示された。一方、EUは米国との通商交渉が7月9日の期限を越えて延長されると考えている、としており粘り強い交渉継続姿勢が示された。
ポンドドルは1.35付近での取引。東京朝方の1.3510近辺を高値にロンドン朝方には1.3464近辺まで下押しされた。その後のロンドン時間には1.35付近まで買い戻されている。ポンド円は196円手前水準から195.30付近まで下落したあと、ロンドン時間には再び195.94近辺まで買われ、小幅に高値を更新している。ユーロポンドは0.8460付近から0.8480付近へと小幅に上昇。ややポンドの上値が抑えられている。きょうは英予算計画の詳細が公表される。財政赤字拡大もしくは景気対策のどちらに市場が反応するのか、その内容が待たれている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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