ユーロ圏のインフレが目標を下回る ECBの利下げ後押し=NY為替
きょうの為替市場はドルの買い戻しが優勢となっており、ユーロドルは1.13ドル台に再び値を落としている。ただ、下押す動きまではなく、上昇トレンドを継続している状況に変化はない。
本日は5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表され、総合指数で前年比1.9%とECBの目標を下回った。主要中銀として初めてインフレとの闘いでの勝利を確実にする大きな一歩となっている。イースターの時期が遅れたこともあるが、サービス業など労働集約型企業の賃金低下も要因となった。一方、本日は4月の失業率も発表され、6.2%と記録的な低水準となっていた。今週のECBの利下げは正当化される内容ではある。
ECBは今回の理事会で経済見通しも公表するが、インフレと成長見通しは下方修正されると見込まれている。そのような中、市場は今回の利下げ以降のヒントを欲しがっている。ECBは経済状況が悪化する場合、例えば7月までに関税が合意に達しない場合などは、利下げを継続する可能性が高い。ただ、現状からは情勢が未知数なことから、ECBはどちらにも選択肢を残す姿勢を示すものと見られている。
EUR/USD 1.1373 EUR/JPY 163.72 EUR/GBP 0.8413
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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