ドル円、リスク回避で142円台半ばに急速に下落 関税の話題が再浮上=NY為替序盤
きょうの市場はリスク回避の雰囲気が広がっており、ドル円はNY時間に入って143円台半ばから142円台半ばに急速に下落。鳴りを潜めていた関税の話題が再び浮上している。
朝方に2つの関税のニュースが伝わった。トランプ大統領がアップルへの25%超の関税を課す可能性を示唆したほか、EUに6月1日から50%の関税を課すことを表明した。
トランプ大統領はアップルに対して、アイフォーンを米国で生産しない場合、同社に25%以上の関税を課すと脅した。一方、EUとの貿易協議に全く進展が見られないとして、EUからの輸入品に6月1日から50%の関税を課す考えを示した。ソーシャルメディアへの投稿で「貿易において米国を搾取することを主な目的として設立されたEUは、対応が非常に難しい」と述べた。
関税については楽観的なムードが広がっていただけに、本日のトランプ大統領の投稿はショックを与えているようだ。ユーロも下落している。
米財政赤字への懸念も引き続き雰囲気を重くしている。減税法案が米下院で可決し、現在は上院に送付されている。ただ、議会予算局(CBO)によると、この法案は既に膨大な財政赤字をさらに約4兆ドル追加する見込みだと報告している。ドルの弱気な見方に変化はない。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は144円に観測。
23日(金)
144.00(20.9億ドル)
28日(水)
143.00(13.6億ドル)
145.00(13.9億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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