FX/為替「ドル/円、安値更新も直後の買い戻しでサポート割れの判断は持ち越し」 外為どっとコム トゥデイ 2025年2月26日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年2月26日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼25日(火)の為替相場
(1):独GDPは予想通り
(2):ユーロ圏妥結賃金が減速
(3):米消費者信頼感指数 大幅に低下
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:下値模索が続くようなら148円台割れも視野に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
25日(火)の為替相場
期間:25日(火)午前7時10分~26日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独GDPは予想通り
独10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比-0.2%と市場予想どおりに速報値からの修正はなかった。
(2):ユーロ圏妥結賃金が減速
欧州中銀(ECB)は10-12月期妥結賃金が前年比+4.1%と7-9月期の+5.4%から減速したと発表。 その後、ドイツ連銀のナーゲル総裁は「インフレは今年半ばまでに目標値に戻るだろう」とした上で「私たちは、制限的な領域をほぼ脱し、中立的な領域に近づいている」との見方を示した。ECBのシュナーベル専務理事も、利下げについて「慎重に進むべきだ」と述べ、「われわれの政策が景気抑制的だともはや自信を持って言うことはできない」と続けた。
(3):米消費者信頼感指数 大幅に低下
米2月消費者信頼感指数は98.3と市場予想(102.5)を下回り、前月(105.3)から低下。中でも、6カ月先の見通しを示す期待指数は72.9と昨年6月以来の水準に悪化した。これを受けて米長期金利が低下幅を拡大するとドル/円はその後148.56円前後まで下値を切り下げ、昨年10月11日以来の安値を付けた。なお、ベッセント米財務長官は「民間セクターはリセッション(景気後退)に陥っている」との見方を示し、トランプ氏の政策が実行されれば米10年債利回りは時間とともに「自然に低下するはずだ」と述べた。
25日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:下値模索が続くようなら148円台割れも視野に
昨日のドル/円は4カ月半ぶり安値へと下落した。本邦実需のドル買いなどで一時150円台を回復したものの、海外市場で反落。米2月消費者信頼感指数が大幅に予想を下回ったことを受けて、昨年10月11日以来の安値となる148.56円前後まで下値を切り下げた。消費者マインドの悪化で米景気不安が再燃する中、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが早まるとの思惑も相まって米10年債利回りは2カ月半ぶりに4.30%を割り込んで低下した。ドル/円は重要なチャートポイントと見られていた148.64円前後(昨年12月安値)を一時的に下抜けたが、直後に買い戻しが入り終値では149円台を回復。サポートを割り込んだとは明確に判断できない動きとなっただけに、本日の値動きが注目される。米景気不安を背景に下値模索が続くようなら148円台割れも視野に入るだろう。一方、月末需給に絡むフローなどが相場を押し上げることも考えられる。150円台を回復できれば「ダブル・ボトム」形成への期待がつながることになりそうだ。
注目の経済指標:米新築住宅販売件数
注目のイベント:エヌビディア決算
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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