ドル買い一服、強い英小売指標でポンドドル上昇 ドル円は150円台維持できず=ロンドン為替概況
ドル買い一服、強い英小売指標でポンドドル上昇 ドル円は150円台維持できず=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル買いが一服している。ロンドン朝方に発表された9月英小売売上高が予想から上振れたことを受けてポンド買いが広がった。ポンドドルが1.30台前半から後半へと上昇。ただ、ロンドン勢の本格参加とともにポンドドルは1.30台前半へと反落。ポンド買いは一服した。ポンド円は195円付近から196円付近で上に往って来いとなった。ユーロドルもややドル安方向に動き、1.0850手前まで上昇。その後は1.08台前半で揉み合っている。ドル円は東京朝方の150円台を維持できず、次第に上値が重くなっている。ロンドン午前には一時149.60付近まで下落する場面があった。関係者の発言として「経済・物価はオントラックとの認識共有、今後の利上げ排除せず」と報じられたことに反応した。ただ、「日銀は今月会合での利上げの必要性乏しいとの認識」ともしており、すぐに150円近くへと買い戻されている。ドル指数は反落しており、10月の上昇の流れにやや調整が入っている。
ドル円は149円台後半での取引。東京朝方の150.28近辺を高値に、その後は上値重く推移している。東京午後からロンドン朝方にかけては150円を挟んだ上下動となった。ロンドン時間に入ってから一時149.59近辺まで急落する場面があったが、すぐに149.90付近へと買い戻されている。複数の関係者の発言として「日銀は今月会合での利上げの必要性乏しいとの認識、物価見通しに大きな変化なし、リスク表現は修正議論も、経済・物価はオントラックとの認識共有、今後の利上げ排除せず」などと報じられたことに敏感に反応していた。東京時間には三村財務相などからの円安けん制発言があり、150円の節目を上回る円安水準では市場の神経質度が増しているようだ。
ユーロドルは1.08台前半での取引。東京朝方の1.0825近辺を安値に、足元では1.0850付近へと買われている。ただ、売買は交錯しており、すっきりとした上昇にはなっていない。ユーロ円も162.19から162.81までのレンジで上下動を繰り返している。対ポンドではユーロ売りが先行も、その後は買い戻されてきている。ECB専門家予測調査(SPF)では2025と26年のインフレ予想を+1.9%としており、2025年を0.1%ポイント下方修正していた。ミュラー・エストニア中銀総裁は、物価上振れリスクは依然として残っていると述べた。ビルロワドガロー仏中銀総裁は、インフレ率はオーバーシュートと同様にアンダーシュートのリスクも大きいと述べた。インフレに関する見方は分かれていた。
ポンドドルは1.30台半ばでの取引。東京朝方の1.3004近辺を安値にじり高の動きで英小売売上高発表を迎えた。前月比+0.3%、前年比+3.9%といずれも予想から上振れる結果となった。ポンドドルは1.3030付近から1.3070付近まで急伸。しかし、その後は上昇一服となり1.30台前半から半ばで推移している。ポンド円は東京午後の195.04近辺を安値に、英指標発表顎には196.05近辺まで買われた。ロンドン時間に入ってからドル円の急落局面で195円近くまで再び下落も、足元では195円台半ばへと買い戻されている。ユーロポンドは下に往って来い。ポンド買いが強まり0.8295近辺まで一時下落も、その後は0.8310-20レベルへと下げ渋っている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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