FX/為替「ドル/円、中東リスクの低下を背景に約2か月半ぶりの150円台を試す」 外為どっとコム トゥデイ 2024年10月15日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月15日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(月)の為替相場
(1):中国貿易収支は予想を下回る
(2):中国 特別国債発行の可能性
(3):FRB理事 利下げペースに慎重な姿勢示す
(4):米株価指数最高値を更新
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:150円乗せも視野/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(月)の為替相場
期間:14日(月)午前7時00分~15日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国貿易収支は予想を下回る
中国9月貿易収支は817.1億ドルの黒字と、黒字額は市場予想(905.0億ドル)を下回った。輸出が前年比+2.4%と予想(+6.0%)ほど増えなかったことが背景。
(2):中国 特別国債発行の可能性
中国メディアは、同国が景気刺激のための財政措置の一環として超長期の特別国債を3年間で6兆元(約127兆円)発行する可能性があると報じた。12日に藍仏安財務相が行った財政政策の強化に関する会見が期待外れだったとの見方から豪ドルは売りが先行していただけに、この報道を受けて買いが強まった。
(3):FRB理事 利下げペースに慎重な姿勢示す
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は「慎重なペースで利下げに対応するべき」との考えを示した。「労働市場は緩和しているが、依然としてかなり健全」であり、現在の経済状況が続けば「政策を中立のスタンスに向けて慎重なペースで進めていくことは可能だ」と述べた。
(4):米株価指数最高値を更新
米国がコロンブスデーの祝日で薄商いの中、NYダウ平均株価は史上初の43000ドル台に上昇して取引を終了。S&P500も11日に続いて最高値を更新した。
14日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:150円乗せも視野
昨日のドル/円は149円台後半へと上昇。日米が祝日で参加者が限られる中、米国株や日経平均先物などの株価指数が上昇したことを支えに一時149.98円前後まで上昇した。なお、NYダウ平均株価は2日連続で史上最高値を更新し、43,000ドル台に乗せた。
米国の強い労働市場やインフレ高止まりを受けて、市場では行き過ぎた米利下げ織り込みに修正が入っている。本日は米10月NY連銀製造業景気指数や米9月NY連銀1年インフレ期待が発表される。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策策定における軸足は労働市場に移ったとはいえ、米国の景気やインフレの動向には引き続き注目が必要だろう。他方で、イスラエルのネタニヤフ首相がイラン軍への攻撃を実施することを米国に通知したと報じられている。ただ、イランの石油や核施設は標的にしないとも伝わっている。この報道を受けて、原油供給を巡る過度の警戒感が後退し、原油価格は3%ほど下落している。現時点では為替相場への影響は限定的だが、中東の地政学リスクの低下を株式市場がポジティブにとらえるようであれば、ドル/円は8月1日以来となる150円乗せも視野に入ってきそうだ。
注目の経済指標:英雇用統計
注目のイベント:米企業決算
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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