FX/為替「ドル/円、147円台の重さを米雇用統計で払拭できるか」 外為どっとコム トゥデイ 2024年10月4日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月4日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼3日(木)の為替相場
(1):豪貿易収支は予想を上回る黒字額
(2):BOE総裁 「もう少し積極的に」なることが可能
(3):ユーロ圏総合PMIは上方修正
(4):米新規失業保険申請件数は増加
(5):ISM非製造業は上昇
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルにもまだ上昇の余地/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(木)の為替相場
期間:3日(木)午前6時10分~4日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪貿易収支は予想を上回る黒字額
豪8月貿易収支は56.44億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(55.00億豪ドル)を上回った。輸出、輸入ともに前月比で0.2%減少した。
(2):BOE総裁 「もう少し積極的に」なることが可能
英中銀(BOE)のベイリー総裁は英ガーディアン紙とのインタビューで、生活費の圧力が中銀が懸念していたほどには長期化していないという事実に勇気付けられていると発言。その上で、インフレに関する良好なニュースが続けば中銀は利下げのアプローチで「もう少し積極的に」かつ「もう少し活動的に」なることが可能だと述べた。
(3):ユーロ圏総合PMIは上方修正
ユーロ圏9月総合PMI・改定値は49.6と速報値(48.9)から上方修正された。ただ、好不調の分岐点である50.0を下回ったままで、8月(51.0)からの低下も確定した。
(4):米新規失業保険申請件数は増加
米新規失業保険申請件数は22.5万件と市場予想(22.1万件)を上回り、前週(21.9万件)から増加。ただ、4週移動平均では22.4万件と前週(22.5万件)から減少した。
(5):ISM非製造業は上昇
米9月ISM非製造業景況指数は54.9と市場予想(51.7)を上回り前月(51.5)から上昇。構成指数では新規受注が大幅に上昇した一方、雇用が低下した。
3日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルにもまだ上昇の余地
昨日のドル/円は一時147円台を回復。前日の石破首相の発言を受けた円売りが継続すると東京市場で147.24円前後まで上昇しておよそ1カ月半ぶりの高値を付けた。ただ、147円台では戻り売りが優勢だった。NY市場でも米9月ISM非製造業景況指数の上振れを受けて上値を試す場面があったが147.18円前後までにとどまった。終値は前日比0.3%高の146.95円前後だった。本日は米9月雇用統計が最大の焦点となる。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースのカギを握る米労働市場の動向に市場の関心が集まっている。今月に入り発表された米国の雇用関連の経済指標は、JOLTS求人件数やADP全国雇用者数など概ね良好で、9月雇用統計が大崩れする可能性は低いことを示唆している。なお、米金利先物が織り込む11月の50bp(0.50%ポイント)利下げの確率は、このところ低下傾向にあるものの依然として30%強(25bp利下げ確率70%弱)。9月雇用統計で米労働市場の底堅さが確認されればなおも低下余地があるとともに、ドルにもまだ上昇の余地があると見ている。
注目の経済指標:米雇用統計
注目のイベント:NY連銀総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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