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為替相場まとめ9月2日から9月6日の週

為替 

 2日からの週は、ドル安と円高が進行した。金曜日の米雇用統計発表に注目が集まるなかで、市場では前回7月分の弱い結果が市場にネガティブ・サプライズを広げたことが意識された。火曜日以降に発表された前哨戦となる各雇用関連指標に敏感に反応している。米ISM製造業景況指数が予想下回ったことをはじめ、JOLT求人件数やADP民間雇用者数の下振れなど弱い結果が相次いだ。9月FOMC会合の利下げ幅に関する市場の織り込みは、やや25bpが優勢だが、次第に50bpの観測も高まってきている。そのなかで、米債利回り低下がドル売り圧力に、米景気動向への不安感がリスク回避の円高圧力となった。米雇用統計発表までに、ドル円は147円付近から142円付近へと下落。ユーロ円は162円台から158円台割れへと下落。一方、ユーロドルは1.10台前半から1.11台前半へと上昇。通貨オプション市場では、ドル円の短期ボラティリティーが上昇、円高ヘッジ圧力が高まった。そして米雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、6月、7月分も下方修正されるなど米労働市場の冷え込みを示していた。今月のFOMCでの大幅利下げ観測が一時強まったものの、8月初めとは違い市場全体が比較的着いた反応を見せていた。ただ、景気減速への警戒感からのポジション調整円高が見られドル円も一時141円台に下落。


(2日)
 東京市場で、ドル円は方向性に欠ける振幅。朝方には先週末のドル高を引き継いで146.60近辺まで買われた。しかし、午後に入ると一転して売られ145.78近辺まで下落した。日経平均が後場で一時下げに転じたことなどによるリスク回避の円買いが重石となった。ただ、その後は下値は広がらず、146円台を回復した。きょうは米国市場がレイバーデーの祝日のため休場となり、徐々に様子見ムードが広がった。クロス円はおおむね揉み合い。ユーロ円は午後に161円ちょうど付近まで下落したあと下げ渋り、161円台半ばまで戻した。ポンド円は午後に191.34近辺まで軟化したあと買い戻しが入り、一時192円台を回復した。ユーロドルは朝から方向性の定まらない展開となり、1.1050付近を挟んで振幅した。

 ロンドン市場は、円安の動き。ロンドン時間に入ると円売りが再燃。ドル円は先週末高値を上回ると146.85近辺に高値を更新、8月20日以来のドル高・円安水準となった。クロス円も買われ、ユーロ円は161円台前半から162円台半ばへ、ポンド円は191円台半ばから193円手前水準まで買われた。このあとのNY市場がレーバーデーのため休場となるなか、米債利回りなどの手掛かりには欠けている。ドル相場はクロス円の上昇につれてややドル安方向へ動いている。ユーロドルは1.10台半ばから後半へ、ポンドドルは1.31台前半で底堅く推移。欧州株や米株先物は先週末の上昇にやや調整売りが入っている。一連の欧州製造業PMI確報値は上方改定の動きが相次いだ。英製造業PMIは速報値から変わらず。ユーロ対ポンドではややユーロ高の動きがみられている。全体としては先週末の値動きの延長線上の感が強い。

 NY市場は、レーバーデーの祝日のため休場。

(3日)
 東京市場では、ドル円の上値が重かった。朝方には日経平均の上昇とともに買われ、前日海外市場高値147.10近辺を上回ると、147.21近辺まで上昇。その後は株高一服もあり、反落。日経平均は後場に入るとマイナスに転じた。ドル円は146.14近辺まで1円超の下落となった。ただ、日経平均は引け際にかろうじてプラス圏に戻している。中国の景気鈍化への警戒感も広がり、リスク回避の円買いにクロス円が軟調。豪ドル円は99円台後半から98円台半ばへと大幅下落。対ドルでも軟調。ユーロ円は162円台後半から161円台後半へ、ポンド円は193円台前半から191円台後半へと下落。

 ロンドン市場は、円買いとともにドルが買われている。円買いの動きは東京市場からの流れを引き継いだもの。中国景気への不透明感や本邦長期債利回り上昇、植田日銀総裁植田日銀総裁が経済諮問会議の提出資料で「経済・物価見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整」との方針を示したことなどが背景。ロンドン時間に入ってからも、欧州株や米株先物・時間外取引が軟調に推移しており、リスク警戒の動きが続いている。米債利回りの低下一服とともに、ユーロドルなどドルストレートでドル買いが優勢になっている。三連休明けNY市場では、8月の米ISM製造業景況指数が発表されることから、注目指標を前に調整が入る面も。ドル円は145.60付近まで下落。ユーロ円は一時161円台割れ、ポンド円は191円台割れ目前まで下落した。ユーロドルは1.10台後半から前半へ、ポンドドルは1.31台前半で上値重く推移している。ユーロ対ポンドではややポンド買いが優勢。東京朝方に発表された8月英BRC既存店売上高は前年比+0.8%と前回の+0.3%から伸びが加速していた。

 NY市場では、リスク回避ムードが広がり、ドル高・円高の動き。米ISM製造業景気指数が前回から改善はしたものの予想は下回った。引き続き米製造業の低迷を示唆したことに市場は敏感に反応。今週は金曜日に米雇用統計が発表されるが、予想を下回れば8月同様の反応になるのではとの警戒感も出ていたようだ。ドル円は145円台前半まで一時下落した。ドル自体は8月の最安値から回復を続けているが、今後数四半期にFRBが他のG10中銀よりも積極的な利下げを行うと見ているため、ドル高には限界があるとの見方も市場では根強い。ユーロドルは売りが優勢となっており、一時1.10台前半に下落する場面も見られた。しかし、1.10ドルの心理的節目は維持しており、いまのところ底堅さは堅持している来週にECB理事会が控えているが、市場では25bpの追加利下げを確実視している。ポンドドルも戻り売りが続き、1.30台に下落する場面が見られた。英中銀は11月に追加利下げというのが市場の大方のシナリオだが、9月の利下げの可能性を完全に排除できない状況。

(4日)
 東京市場では、神経質に売買が交錯。株安、商品安など世界的なリスク警戒の動きが優勢となる中で、ドル円も上値の重い展開。145円台半ばからじり安となり、一時144.89近辺まで下落。いったん145円台半ばに戻すも、午後には一段の株安とともに145円台前半で売買が交錯。「半年以内にデフレ脱却宣言できる状況にする」との茂木幹事長発言を受けて145.00台まで下押しも、大台は維持した。ユーロ円は午前の下げ局面で160円11銭まで下げた。その後160円80銭台まで戻すなど、一方向の動きにならず、160円台後半を中心とした推移。ユーロドルは1.10台半ば前後での推移。朝からのレンジは1.1039-1.1060と限定的な動き。豪ドル/ドルはリスク警戒で上値重く推移も、0.67付近からは離れず。

 ロンドン市場は、円高が一服し、揉み合いとなっている。欧州株は売りに押されているものの、足元ではやや下げ幅を縮小している。米10年債利回りは3.83%台から3.80%台まで低下したあとは、3.82%付近まで下げ渋り。一時69ドル台まで下押しされたNY原油先物は、OPEC+の増産計画延期を協議との一部報道に71ドル台まで反発した。金曜日の米雇用統計に注目が集まるなかで、きょうは米JOLT求人件数の発表が予定されており、結果を見定めたいとのムードも。ドル円は序盤に144.70台まで下落したあとは、145円を挟んで売買が交錯。クロス円も下げ一服。ユーロ円は一時160円台割れも、その後は160円台に戻した。ポンド円は189.70付近を安値に190円台を回復。ただ、いずれも前日NY終値水準までは戻し切れず、リスク警戒ムードは残っている。ドル相場はややドル安の動き。ユーロドルは1.10台前半から後半へとじり高。ポンドドルは1.31台前半での強保ち合いとなっている。

 NY市場では、ドルが下落。ドル円は143円台に下落した。7月の米求人件数が予想を大きく下回り、前回分も大幅に下方修正された。これを受けてドル安や米国債利回りの低下となり、9月FOMCでの大幅利下げの可能性も高まった。政策金利に敏感な米2年債利回りが急低下し、2-10年債の逆イールドが一時解消。この現象は22年以降で2回目となる。短期金融市場では50bpの大幅利下げの可能性を47%、25bpの通常利下げを53%で織り込む動きに変化している。利下げ自体は100%。ユーロドルは1.10台後半に上昇、ポンドドルは1.31台後半まで一時買われた。カナダ中銀が金融政策を発表し、3会合連続での利下げを行った。予想通りではあったものの、カナダドルは買いの反応を見せていた。カナダ中銀は追加利下げの可能性に再言及していたが想定通りではあった。市場の一部では大幅利下げの期待が出ているが、マクレム・カナダ中銀総裁も「検討はしているものの、25bpの通常利下げがコンセンサス」との認識を強調していた。

(5日)
 東京市場では、円相場が上下動。ドル円は朝方に7月の日本毎月勤労統計で実質賃金が予想外の増加となったことを受けて143円台後半から143.19近辺まで急落。8月5日以来1カ月ぶりのドル安・円高水準となった。しかし、その後は5・10日(ゴトー日)関連の買いで、朝方の下げを帳消しにした。午後には日経平均の下落とともに再び143.20台まで一時下落した。クロス円も午後に再び売りが強まり、ユーロ円は159円台前半から158円台後半まで、ポンド円は189円ちょうど付近から188円半ばまで一時下落。ユーロドルは小動き。朝からの値動きは1.1075から1.1086までのレンジにとどまった。。高田日銀審議委員は「当面は株式、為替動向を注視し見極める必要がある」などと発言したが、市場の反応は限定的。

 ロンドン市場は、円相場が上下動も方向性には乏しい展開。このあとのNY市場で発表される米ADP雇用統計、米新規失業保険申請件数、米ISM非製造業景況指数などの内容を確認したいとのムードとなっている。ドル円は143円台で下に往って来い。ユーロ円が159円台半ばから158円台半ばで、ポンド円は189円台前半から188円台前半でいずれも下に往って来い。欧州株は売り先行も次第に下げ渋る動き。ただ、プラス圏回復も上値追いは限定的。リスク動向の落ち着きとともに、ユーロドルは1.10台後半から一時1.1100付近まで上昇。ポンドドルは1.31台前半から後半へと買われている。ドル指数は小幅に低下。米10年債利回りは3.75%台から3.77%付近に小幅上昇。ただ、ドル円1週間ボラティリティーが16%台後半に水準を上げるなど変動期待は高まってきている。嵐の前の静けさの状況だ。

 NY市場では、ドル円が下押しされた。明日の米雇用統計を前に神経質な取引となる中でドル円は下値模索が続き、一時142.85近辺に下落する場面が見られた。8月のADP雇用統計が予想を下回ったことでドル売りが強まり、ドル円も下げ幅を拡大した。しかし、後半には144円台に戻す場面も見られた。前日の米求人件数が予想以上の減少を示したことから、米国債利回りの急低下と伴にドル円も売りが強まった。オプション市場では米雇用統計が弱い内容で8月初めのようにドル円のボラティリティが高まった場合に備えたポジションを組むファンドも散見されている。今月のFOMCでの大幅利下げの可能性も再び台頭する中で、市場は明日の米雇用統計を待っている。ユーロドルは1.11台に買い戻された。ユーロ自体の材料はない中、専ら米経済指標を受けたドルの要因で動いているようだ。ポンドドルは1.31台後半で底堅く推移。

(6日)
 東京市場は、円高の動きが広がった。ドル円は朝方の143.48近辺を高値に午後には142.41近辺まで安値を広げ、1円超の下落となっている。クロス円も軒並み下落。ユーロ円は159.40付近から158.31近辺へ、ポンド円は189.09近辺から187.62近辺へと下落。今晩の米雇用統計発表を控えて市場の警戒感は強い。米10年債利回りは3.73%付近から3.70%台へと低下している。日経平均が下落しており、リスク警戒の円買いも加わった。ただ、米株先物・時間外取引では、ダウ先物がプラスに転じるなど落ち着いた動きもみられた。ユーロドルは1.1107-1.1119までの小動き。

 ロンドン市場は、米雇用統計発表を控えて待ちの姿勢。ドル円は東京朝方の143.40近辺を高値に、その後の下落の流れを受けて一時142.06近辺まで下押しされたが、大台割れには至らず反発している。足元では142円台後半での推移。クロス円も同様に下押しされたあとは下げ一服となっている。ユーロ円は一時158円台割れも、その後は158円台後半まで反発。ポンド円は187円台前半まで下げたあとは、188円台を回復している。今週の一連の米経済指標が弱含んだことを受けて、市場では米雇用統計に対する警戒感があるようだ。欧州株や米株先物はマイナス圏で推移している。米債利回りも低下傾向を続けている。一方、ドル相場は様子見ムードが強く、揉み合い商状。ユーロドルは1.11台前半、ポンドドルは1.31台後半での取引が続いている。

 NY市場でドル円は激しく上下動しつつ下値模索を続け、一時141円台に下落。きょうは8月の米雇用統計が発表になっていたが、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、6月、7月分も下方修正されるなど米労働市場の冷え込みを示していた。今月のFOMCでの大幅利下げ観測が一時強まり、ドル円も141円台に下落したものの、8月初めとは違い市場全体が比較的着いた反応を見せていたことからドル円も143円台まで急速に買い戻されていた。しかし、今度は米株式市場の調整色が強まったことでドル円は再び一時141円台に下落。本日の米雇用統計への反応というよりも、景気減速への警戒感からのポジション調整といった株安・円高の動きが見られていた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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