【これからの見通し】今週は米景気動向に市場の関心が向いた、きょうは米住宅着工とミシガン大指数

【これからの見通し】今週は米景気動向に市場の関心が向いた、きょうは米住宅着工とミシガン大指数

　今週は米景気動向に市場の関心が向いている。インフレ指標として代表的な米生産者物価指数と米消費者物価指数については、多少の強弱はありながらも、インフレ鎮静化の方向性と市場は受け止めていた。市場の反応はそれほど大きなものとはならなかった。

　しかし、昨日発表された米小売売上高と新規失業保険申請件数には市場の反応が大きかった。小売売上高が予想を上回り、新規失業保険申請件数は２週連続での減少となった。先週のショック相場直後には１週間以内の米５０ｂｐ利下げといったかなり悲観的な見方もでていたが、その後は次第に９月の５０ｂｐ利下げ観測へと傾いた。そして、足元では９月の２５ｂｐ利下げ観測に落ち着きつつある状況だ。

　米経済のハードランディング観測が後退したことで、米株が大幅上昇、為替市場ではドル買いとともにリスク選好の円売りも強まった。ドル円は一時149円台乗せ、ユーロドルは1.10台割れとドル買いの動き。一方で、ポンドドルではポンド円の上昇の影響も大きく、1.28台の高水準を維持している。ポンド円は192円円付近、ユーロ円は163円台後半まで買われた。

　そしてきょうは米住宅着工件数（7月）とミシガン大学消費者信頼感指数（速報値）（8月）が発表される。住宅着工とドル建築許可件数は、やや前回から減少する見込み。一方で、ミシガン大指数は前回から上昇する見込みとなっている。、双方に極端な数字がでなければ、指標結果比較的穏やかな反応にとどまりそうだ。週末を控えていることもあり昨日のドル高などに調整が入りやすい面もありそうだ。

　その他の経済指標発表は、カナダ住宅着工件数（7月）、カナダ国際証券取扱高（6月）、カナダ製造業売上高（6月）など。発言イベント関連では、グールズビー・シカゴ連銀総裁が討論会（質疑応答あり）に参加する予定。

minkabu PRESS編集部 松木秀明