FX/為替「ドル/円、不透明要素多く不安定な値動き継続」 外為どっとコム トゥデイ 2024年7月23日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年7月23日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼22日(月)の為替相場
(1):中国人民銀 予想外の利下げ
(2):株価の下落で円買い活発化
(3):自民党幹事長 日銀へ注文
(4):日銀 観測報道伝わる
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感が定まりにくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
22日(月)の為替相場
期間:22日(月)午前7時00分~23日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国人民銀 予想外の利下げ
中国人民銀行(PBOC)は、事実上の政策金利であるローンプライムレート(LPR)の引き下げを決定。1年物を3.45%から3.35%に、住宅ローンの参照金利となる5年物を3.95%から3.85%にそれぞれ引き下げた。予想外の利下げを受けて人民元が下落。つれて豪ドルも下落した。
(2):株価の下落で円買い活発化
日経平均株価の下げ幅が一時500円を超えたほか、アジア株も軒並み下落するなど、半導体関連を中心に株安が進むとキャリー取引の解消と見られる円買いが活発化。同時にリスク回避のドル買いも入ったため、豪ドル/円を中心にクロス円が大きく下落した。
(3):自民党幹事長 日銀へ注文
自民党の茂木幹事長は、日銀について「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と異例の言及を行った。円安の是正策として「(日銀が)金融政策の方向性をはっきり、ぶれずに示すことだ」と注文を付けた。
(4):日銀 観測報道伝わる
「来週の日銀会合、弱めの個人消費で追加利上げ判断が複雑化-関係者」とする観測報道が伝わった。関係者によると、一部の日銀当局者は、高水準の賃上げを背景に個人消費が想定通りに回復していくかを今後のデータや情報などで確認したいとし、今回会合では利上げ見送りが妥当な選択肢と考えているとのこと。
22日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:方向感が定まりにくい
昨日のドル/円は一時156円台前半へと下落。アジア株がほぼ全面安の展開となる中でキャリー取引の巻き戻しと見られる円買いが強まると156.28円前後まで下げ足を速めた。ただ、欧米市場では株安が一服したことや、米長期金利が小幅ながらも上昇したことを支えに157円台を回復。前日比0.3%安の157.07円前後で取引を終えた。
なお、バイデン米大統領の大統領選撤退については既定路線との見方が多く、各金融市場の反応も比較的穏やかだった。ただし、選挙戦は必ずしもトランプ氏有利とはいえなくなったとの見方も出ており、先行きに不透明感がくすぶっている。そのほか、来週の日銀金融政策決定会合を前に、自民党の茂木幹事長が利上げの必要性に言及した一方、一部の日銀当局者は今回については利上げ見送りが妥当と考えているとの報道もあった。様々な方面に不透明要素が散見される中、ドル/円は方向感が定まりにくいと見られ、本日も157.00円を挟んだ不安定な値動きが続きそうだ。
注目の経済指標:米リッチモンド連銀製造業指数
注目のイベント:ECB専務理事発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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