カナダ、利下げで民間が政府から成長のバトンを受け取る可能性=NY為替
きょうのカナダドルはNY時間の後半に入って売りが優勢となっている。この日の米消費者物価指数(CPI)を受けてドルカナダは一旦1.35加ドル台に下落したものの、売りが一巡すると、米CPI前よりも高い水準まで買われている。現在は1.36ドル台半ばでの推移。
この日の米CPIを受けFRBの利下げ期待が強まる中、カナダ中銀も追加利下げを積極化するのではとの期待も出ているようだ。9月利下げを完全に織り込んでいるほか、場合によっては7月の利下げも視野に入っている模様。
エコノミストからは、カナダ中銀の一連の利下げで民間部門が政府から成長のバトンを受け取る可能性があるとの指摘が出ている。カナダの公共部門は、雇用と賃金の伸びの面で経済をリードしてきた。エコノミストはそろそろ民間部門がペースを取り戻す時でもあり、一連の利下げがその鍵になるかもしれないという。金利が下がれば、企業は設備投資を促進し、雇用を促進する。これはマクレム・カナダ中銀総裁が経済のアキレス腱と呼ぶ、生産性の悪化を解消する鍵となる。
ここ数年、カナダ政府は景気浮揚策を提供してきたが、それは過剰だったという。カナダの公共部門の雇用者数は6月時点で過去1年間に4.3%増加し、同時期の民間部門の雇用者数は僅か0.8%増だった。政府による雇用は2019年以降の雇用純増数の半分弱を占めている。
USD/CAD 1.3641 CAD/JPY 116.45
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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