FX/為替「ドル/円、まずは160円の攻防に注目」 外為どっとコム トゥデイ 2024年6月24日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年6月24日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼21日(金)の為替相場
(1):本邦CPI コアベースは伸びが加速
(2):英小売売上高は予想を大幅に上回る
(3):独PMIは弱い結果
(4):英PMIはマチマチの結果
(5):米PMIは予想を上回る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:神経質な相場展開が予想される/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(金)の為替相場
期間:21日(金)午前6時10分~22日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPI コアベースは伸びが加速
日本5月消費者物価指数(CPI)は、日銀が重視する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.5%と前月(+2.2%)から伸びが加速したが、市場予想(+2.6%)には届かなかった。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+2.1%と2022年9月以来の低い伸びだった(予想+2.2%)。
(2):英小売売上高は予想を大幅に上回る
英5月小売売上高は前月比+2.9%と市場予想(+1.8%)を大幅に上回った。悪天候の影響などから大幅に落ち込んでいた前月の反動と見られる。なお、前回4月分の売上高は-2.3%から-1.8%に上方修正された。
(3):独PMIは弱い結果
独6月製造業PMI・速報値は43.4、同サービス業PMI・速報値は53.5といずれも市場予想(46.4、54.4)に反して前回(45.4、54.2)から低下した。独6月PMIに前後して発表された仏6月PMI・速報値とユーロ圏6月PMI・速報値も同様に悪化。これを受けてユーロ売りが優勢となった。
(4):英PMIはマチマチの結果
英6月製造業PMI・速報値は51.4と市場予想(51.1)をやや上回った一方、同サービス業PMI・速報値は51.2と市場予想(53.0)を下回った。
(5):米PMIは予想を上回る
米6月製造業PMI・速報値は51.7、同サービス業PMI・速報値は55.1といずれも市場予想(51.0、54.0)を上回った。中でも、サービス業PMIは2022年4月以来の高水準に上昇した。景況感格差の観点から対欧州通貨を中心にドル買いが強まると、ドル/円はその後159円台後半まで上昇幅を拡大した。
21日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:神経質な相場展開が予想される
21日のドル/円は159円台後半へと続伸。米6月購買担当者景気指数(PMI)・速報値の上振れを受けてドル買い・円売りが強まると、日本政府・日銀による円買い介入が発動されたと見られる4月29日以来の159.83円前後まで上値を伸ばした。重要な心理的節目であり、一部には日本政府・日銀の防衛ラインとの見方もある160.00円に接近したことで介入警戒感は一段と高まりそうだ。ただ、神田財務官が以前言及した「2週間で4%(の変動は到底なだらかなものとは言えない)」の円安が介入発動の要件だとすれば、現時点でそこまでの変動は見られない。先週のドル/円の上昇率は約1.5%であり、今週163.70円前後まで上伸してようやく4%に達する計算だ。今週のドル/円は財務省筋などから口先介入が頻発すると見られることから神経質な相場展開が予想されるが、口先介入がむしろ実弾介入を催促する動きにつながる可能性もある。まずは、本日の1ドル160.00円を巡る攻防に注目したい。
注目の経済指標:独IFO企業景況感指数
注目のイベント:FRB高官発言
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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