パウエル会見が続く中、ドル円は一時156.70円近辺まで戻す=NY為替
パウエルFRB議長の会見が続く中、ドル円は買い戻しが出ており、一時156.70円近辺まで戻している。この日の米消費者物価指数(CPI)が2カ月連続でインフレの鈍化傾向を示したことから、市場は利下げ期待を復活させ、2回の利下げを織り込む動きを見せていた。それに伴ってドル円も155円台まで急速に下落。
その後のFOMCが注目されたが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)は1回の利下げ予想に留まった。ただ、市場は2回の利下げ期待を後退させたものの、なお高い確率で織り込んでいる。一部からは「今回のドット・プロットは5月の米CPIを考慮していない可能性が高い」との指摘も出ていた。ディスインフレがさらに続けば、年内に2回の利下げが実施される可能性が高いという。
なお、議長はインフレの進展に言及したものの、まだ高過ぎるとし、確信を強めるにはさらに良好なデータ必要との認識を示していた。タカ派な雰囲気まではないが、ハト派でもなく、バランスを取った発言に終始している印象。
USD/JPY 156.61 EUR/USD 1.0817 GBP/USD 1.2813
*パウエルFRB議長
・インフレで確信強めるにはさらに良好なデータ必要。
・インフレは大幅に緩和されたが、まだ高過ぎる。
・FRBは需給を引き下げるために制限的スタンスを維持。
・FRBはGDPが昨年のペースから減速すると予想。
・雇用の増加ペースは依然堅調だが、第1四半期よりは鈍化。
・移民の増加ペースが堅調で新規雇用を後押し。
・FOMCは労働市場の力強さが続くと予想。
・われわれは良いインフレを想定。
・良いインフレの数字について具体的には述べない。
・2.6%、2.7%のインフレならいいところだ。
・政策はインフレだけでなく、データの総合性に左右。
・けさのCPIについて説明を受けた。
・大半の当局者は会議の途中で予測を更新することはない。
・求人倍率と賃金上昇率は低下。失業率は若干上昇。
・雇用統計の差異を調整できないこともある。
・全体としては、雇用市場は堅調だが冷え込んでいる。
・FOMCでは誰も利上げは想定していない。
・FOMCは金利はパンデミック前の水準には戻らないと考え始めた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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