FX/為替「ドル/円、154円台へ続落 米景気に息切れ感」 外為どっとコム トゥデイ 2024年6月5日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年6月5日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼4日(火)の為替相場
(1):インド総選挙の結果を受けて円買い活発化
(2):独失業者数増加
(3):「日銀 国債買入れ減額検討」報道
(4):JOLTS求人件数 約3年振りの低水準
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルに手仕舞い売りが出やすい地合いが続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
4日(火)の為替相場
期間:4日(火)午前6時10分~5日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):インド総選挙の結果を受けて円買い活発化
インド総選挙の開票が行われ、圧勝が予想されていたモディ首相率いる与党バラティヤ・ヤナタ党(BJP)が一転して苦戦を強いられていることが伝わると前日に史上最高値を付けていたインド株が8%超急落した。モディ政権が基軸としてきた投資主導の成長促進など経済政策に不透明感が生じる可能性があるとの見方が広がった模様。前日のメキシコに続く選挙後のインド市場混乱で投資家心理が悪化。円キャリー取引の手仕舞いと見られる円買いが活発化した。
(2):独失業者数増加
独5月失業率は5.9%で、市場予想通りに前月から横ばい。同失業者数は前月比2.50万人増と市場予想(0.70万人増)を上回った。
(3):「日銀 国債買入れ減額検討」報道
「日銀、早ければ今月会合で国債購入減額を具体的に検討も」とブルームバーグが報道。「関係者によると、13、14日の会合では月間6兆円程度の買い入れを継続するとしている現在の長期国債の買い入れについて、減額が適切な市場環境かどうかを慎重に見極める」とのこと。
(4):JOLTS求人件数 約3年振りの低水準
米4月JOLTS求人件数は805.9万件と市場予想(835.0万件)を下回り、2021年2月以来の水準に減少。米労働市場の減速が意識されて米長期金利が低下すると一時ドル売りに傾いた。
4日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルに手仕舞い売りが出やすい地合いが続く
昨日のドル/円は154円台へと続落。前日のメキシコに続きインドでも総選挙の結果を受けて株価が大幅に下落したことや「日銀が早ければ今月の会合で国債買い入れ減額を具体的に検討する可能性」とする一部報道が伝わったことで円が全面高となった。さらに、米4月JOLTS求人件数が3年ぶりの水準に減少したことでドルが売られると154.54円前後まで下値を拡大し、5月16日以来の安値を付けた。終値は前日比1.2円ほどドル安・円高の154.88円前後だった。メキシコやインドの混乱は一時的なものと見るが、米景気についてはここにきて「息切れ感」が出ている。ドルに手仕舞い売りが出やすい地合いが続く中、本日は米5月ISM非製造業景況指数に注目が集まりそうだ。市場予想は51.0となっており、1年4カ月ぶりに活動拡大/縮小の分岐点である50.0を割り込んだ前回から持ち直すと見られている。また、7日の米5月雇用統計の前哨戦として米5月ADP全国雇用者数も発表される。これら米経済指標の結果を受けたドルと米長期金利の動きが本日のドル/円相場の焦点となりそうだ。
注目の経済指標:ISM非製造業景況指数
注目のイベント:特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
マネーを育てよう!をテーマに、外為どっとコム総合研究所に所属する研究員が執筆するオリジナルレポートのほか豪華講師陣の貴重なFXレポート、個人投資家や著名投資家のインタビュー記事など、バラエティ豊かな情報を配信しています。為替トレンドに合わせた特集記事やFX初心者でも安心の学習コンテンツを用意しており、個人投資家の取引技能の向上に寄与すべく活動しています。