【これからの見通し】きょうは米PPIとパウエル講演、ドル円が一段高となる可能性も
【これからの見通し】きょうは米PPIとパウエル講演、ドル円が一段高となる可能性も
本日は米国発の材料に注目が集まる。経済統計ではあすの米消費者物価指数が最注目だが、きょうはその前哨戦として米生産者物価指数(PPI)が発表される。前年比の市場予想は+2.2%と前回の+2.1%から小幅に上昇する見込み。コア前年比は+2.3%と前回の+2.4%から小幅に伸び鈍化となる見込み。市場の反応は、基本的には結果と予想との乖離度合いに敏感となろう。ただ、インフレの傾向をみると、昨年7月あたりをボトムとして下げ止まっている。前年比2%超が定着しつつあり、根強いインフレとの評価がみられる可能性がありそうだ。
日本時間午後11時にはパウエルFRB議長、クノット・オランダ中銀総裁がオランダ外国銀行協会で講演を行う。質疑応答も予定されており、パウエル議長のタカ派度合いが注目されそうだ。クノット・オランダ中銀総裁もECB内ではタカ派として知られているが、6月利下げを是認することとなりそうで、両者の差異が際立つ可能性も指摘される。
ドル円は156円台へとじりじりと水準を上げてきている。米国発の強気材料でドル高が強まるようだと、再び介入警戒感とのせめぎ合いとなりそうだ。ただ、イエレン米財務長官は介入が安易に実行されることには不快感を示していることも念頭に置きたい。160円台をつけたときのような、パニック的な値動きとならなければ、介入のチャンスは低いだろう。
この後の海外市場で発表される経済指標は上記以外にも、ドイツZEW景況感指数(5月)、南ア雇用統計(第1四半期)、カナダ卸売売上高(3月)などが予定されている。
発言イベント関連では、パウエル議長講演の前に、ピル英中銀チーフエコノミスト、シュナーベルECB理事、クックFRB理事などの講演が予定されている。バイデン米大統領が米投資と雇用について演説し、対中関税強化も発表する予定だ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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