【これからの見通し】ドル円は154円台後半で膠着、欧州勢はユーロ対ポンドを動かすか
【これからの見通し】ドル円は154円台後半で膠着、欧州勢はユーロ対ポンドを動かすか
ドル円相場は154円台後半で膠着している。鈴木財務相が「環境整ったと捉えられてもいい、必要に応じて介入できる環境が整っている」と述べ、介入の可能性が高まっていることを示唆した。また、植田日銀総裁は、「物価・経済見通し、リスクが変化すれば政策の変更の理由になる」などとしており、金曜日に日銀展望レポートでの物価見通しの変化に含みを持たせた。いずれも円買い圧力となる材料だが、市場での円安圧力は動じない。円相場が本格的な動きをみせるのは、日銀決定会合をみてからといったムードが広がっているようだ。
一方で、ユーロ対ポンド相場は先週末から活気付いている。ポンド安方向に傾いてきている。これまでECBの6月利下げ開始が市場に織り込まれてきたが、ここにきて英中銀についても市場の利下げ開始時期が前倒しとなる傾向がみられている。先週にベイリー英中銀総裁が、近いうちにインフレが大きく低下するとの認識を示したことに続いて、ラムスデン英中銀副総裁は週末に「インフレの持続性緩和に自信を深める、4月の英CPIは英国がEUに接近する可能性が高い」などと述べていた。週末を挟んでユーロ買い・ポンド売りの動きが広がった経緯がある。
この後の海外市場では、ハスケル英中銀委員、ピル英中銀チーフエコノミスト、パネッタ伊中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁などの講演が予定されており、ECBと英中銀双方にタカ・ハト度合いに市場が反応しそうだ。米金融当局者がブラックアウト期間入りとなっているだけに、注目度は高まりそうだ。
経済指標は、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国など一連のPMI速報値(4月)が発表される。その他には、香港消費者物価指数(3月)、米リッチモンド連銀製造業指数(4月)、米新築住宅販売件数(3月)、ハンガリー中銀政策金利(4月)などが予定されている。PMIで米英欧三極の強弱感に差異が鮮明となれば、市場反応が期待されよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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