FX/為替「ドル/円、再び152円の攻防へ ドル高期待と介入警戒の神経戦に」 外為どっとコム トゥデイ 2024年4月2日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月2日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼1日(月)の為替相場
(1):日銀短観 製造業DIは4期ぶりの悪化
(2):財新製造業PMIはやや上昇
(3):ISM製造業 1年半ぶりの活動拡大
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:堅調に推移する見通し/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
1日(月)の為替相場
期間:1日(月)午前7時00分~2日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀短観 製造業DIは4期ぶりの悪化
日銀短観は大企業製造業DIが11、大企業非製造業DIが34といずれも市場予想(10、32)を上回った。製造業DIは前回(12)から小幅に低下し4期ぶりの悪化となった一方、非製造業DIは好調なインバウンド需要などを背景に8期連続で改善し、1991年以来の高い水準となった。企業の事業計画の前提となる2024年度の想定為替レートは全規模全産業で1ドル=141円42銭だった。
(2):財新製造業PMIはやや上昇
中国3月財新製造業PMIは51.1と市場予想(51.0)を僅かに上回り前月(50.9)からやや上昇した。
(3):ISM製造業 1年半ぶりの活動拡大
米3月ISM製造業景況指数は50.3と市場予想(48.3)を上回り、2022年9月以来1年半ぶりに活動拡大・縮小の分岐点である50.0を上回った。構成指数の「仕入価格」や「新規受注」が予想以上に上昇した一方、「雇用」は上昇したものの小幅に予想を下回った。
1日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:堅調に推移する見通し
昨日のドル/円は小幅に上昇。米3月ISM製造業景況指数が1年半ぶりに活動拡大を示す水準に上昇したことを受けて151.77円前後まで強含んだ。ただ、市場が日本政府・日銀による「介入ライン」として警戒する152.00円を前に伸び悩むと、前週末比30銭高の151.65円前後で取引を終えた。
米3月ISM製造業景況指数の上昇を受けて、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が先週末に「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことが改めて意識されており、ドルは本日も堅調に推移する見通しだ。NY市場で発表される米2月JOLTS求人件数がドル買いを後押しするか注目したい。
一方で、円買い介入への警戒感が円売りのブレーキになる展開も変わりそうにない。仮に152.00円を上抜ければストップロスなどを巻き込んで上げ足を速めることも考えられるが、円買い介入への警戒感もいっそう高まることになるだろう。本日のドル/円は34年ぶりの高値圏で神経質な値動きとなりそうだ。
注目の経済指標:米JOLTS求人件数
注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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