ドル円、148円台に戻す 米国債利回りがプラス圏回復=NY為替
ドル円は下げ渋る動きも見られており、148円台に戻している。本日は売りが強まり、147.60円付近まで一時下落する場面も見られた。ただ、下げて始まった米国債利回りがプラス圏を回復していることで、ドル円も下げ渋る動きが出ているようだ。
前日のパウエルFRB議長の議会証言を受けてもドル買いの反応が見られず、ロング勢も一旦上値追いを諦めたのかもしれない。全体的には明日の米雇用統計待ちといった雰囲気もあるが、前日のADP雇用統計や米求人件数は伴に雇用の落ち着きを示していたこともあり、前回は驚きの強さとなった米雇用統計が、今回は落ち着きを示すか注目される。
日本の賃金統計が予想以上に改善したことや、春闘の賃上げ要求が30年ぶりの高水準となったことを受け、日銀が今月にもマイナス金利を解除するのではとの観測が広がっていることも、ロング勢の見切り売りを誘った模様。
来週3月15日までには、春闘での経営側の回答が出そろう。要求通りに30年ぶりの高水準となれば、翌週の18、19日の日銀決定会合でマイナス金利が解除されるのではと見ているようだ。なお、4月が有力視されているが、マイナス金利解除程度であれば、どちらでもさしたる違いはない。今月にマイナス金利解除のガイダンスを示し、4月に解除でも市場にとっては同じ効果かもしれない。
注目は、各国が利下げに軸足を移していることや、春闘の結果が中小企業まで広がるのかをまだ確認できない中で、この先、日銀がどんどん利上げを実施して行けるのかという点であろう。
USD/JPY 148.10 EUR/JPY 161.85
GBP/JPY 189.38 AUD/JPY 97.99
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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