ドル円は150円台での推移が続く 次のアクション待ちの雰囲気=NY為替概況
ドル円は150円台での推移が続く 次のアクション待ちの雰囲気=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は150円台での推移が続いた。ドル円は戻り売りに押され一時150円台前半まで値を落としていたが、NY時間に入ると米国債利回りが上昇に転じたことから150円台は堅持し、買い戻しが出ている。
ただ、様子見の雰囲気は強く、次のアクション待ちの雰囲気が強い。明日は米GDP改定値、木曜日にPCEデフレータの発表を控える中、その結果と反応を確認したい意向も強いようだ。1月分の米経済指標は強い内容が多く、PCEデフレータもインフレの粘着性を示すのではとの警戒感もあるようだが、半面、FRBの次の行動は利下げとの期待を崩すほど強い内容にはならないとの見方も根強い。
東京時間に発表された日本の全国消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで円高の反応が見られ、本日のドル円は戻り売りに押された。ただ、150円台から上下に放れよういう動きまではない。日本のCPIは宿泊費やエネルギー価格での前年のベース効果が影響したうえ、外国パック旅行費のデータ収集再開などの特殊要因が影響した面もある。
日本のCPIが予想を上回ったことで日銀のマイナス金利解除を後押しするとの見方が強いが、もともと時期の問題だけで、年内のどこかで日銀はマイナス金利を解除したがっている意向が強く感じられる。現状からは、続けて置く必要はない。そもそも、マイナス金利の効果自体も疑問視されるところではある。
一方、日銀がマイナス金利を解除したからといって、日本経済がテクニカル的なリセッション(景気後退)に陥る中で、マイナス金利解除後の追加利上げまでは、かなり距離があるように思われ、日米の金利差はFRBが動くまでは当面変わらないとも思われる。
ユーロドルは1.08ドル台半ばで振幅。ただ、200日線の上の水準は維持しており、リバウンド相場の流れは継続している模様。フィボナッチ38.2%戻しが現行付近に来ているほか、50%戻しの水準が1.09ドルに来ており、目先のポイントとして意識される。
一部からは、金曜日の2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が夏に向けてのユーロにとって重要な意味を持つ可能性があるとの指摘も出ている。最近のユーロ圏のインフレ指標とユーロのパフォーマンス低下を考えると、リスク・リワードは下振れを想定したポジショニングが有利だという。ECBスタッフは3月理事会でインフレ見通しを下方修正するはずだとも述べている。
*ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(2月)1日19:00
予想 0.5% 前回 -0.4%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.8%(前年比)
予想 2.8% 前回 3.3%(コア・前年比)
ポンドドルは1.26ドル台後半での狭い範囲での振幅に終始。英中銀の利下げ開始はFRBやECBよりも遅いとの見方も出る中で、ポンドは底堅い動きを継続している一方、ポンドドルは1.27ドル台に慎重な雰囲気に変化はない。
本日は金融市場を監督するラムズデン英中銀副総裁の講演が伝わっていたが、英央銀は量的緩和(QE)で購入した英国債を全て売却する可能性があるとの見方を示した。将来の危機に備えて一段の余力を確保することが目的だが、その場合、FRBの方向とはかい離する動きとなる。
ラムズデン副総裁は「準備資産が望ましい最低レンジに達した後もQEのポートフォリオ縮小を続ける可能性がある」と述べた。このポートフォリオはピーク時には8950億ポンドまで拡大していた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。