【これからの見通し】昨日の米CPIでドル高トレンドが再始動、ポンドはどうか
【これからの見通し】昨日の米CPIでドル高トレンドが再始動、ポンドはどうか
昨日に発表された1月米消費者物価指数は、前年比、コア前年比ともに市場コンセンサス予想を上回る伸びを示した。米インフレは低下基調ではあるのだが、足元ではその勢いが停滞している感が強くなった。発表前には5・6月の利下げ開始を完全に織り込んでいた短期金融市場では、発表を受けて7月に見通しが後ずれしている。米債利回りの急上昇とともにドル買いが強まった経緯がある。
ドル指数は10日移動平均線でサポートされて、再び上昇。ドル高トレンドが再始動している。ドル円は150.89レベルまで高値を伸ばし、足元でも150円台半ばにとどまっている。神田財務官や鈴木財務相などがお決まりの円安けん制発言を行ったが、円高方向への反応は限定的だった。
前日に1000円超高となった日経平均は、今日はさすがに調整に押されているが、値幅は限定的。市場では海外勢が日本株を物色しているとの観測もあり、ダウ平均などの下げにも日本株は下値がしっかりしている印象だ。昨日は2月13日のNISAの日だったが、新NISAでは海外投資ファンド・ETFが人気化しているという。本邦個人投資家はファンド・ETFを通じて外貨買い・円売りを進めていることになる。
ドル高トレンドが鮮明になるなかで、ポンド相場はどうか。昨日は英雇用統計が強い結果だったことで、ポンド買いが広がった。そして、きょうは英消費者物価指数をはじめとしたインフレ指標が発表される。対ドルではドル買いに分があるようだが、対円や対ユーロでのポンド買いが一段と鮮明になるのかどうか、英消費者物価指数の結果が注目されよう。発表は日本時間午後4時となる。
その他の経済指標は、ユーロ圏実質GDP(改定値)(第4四半期)、ユーロ圏鉱工業生産指数(12月)、南ア小売売上高(12月)、米MBA住宅ローン申請指数(02/03 - 02/09)など。
発言イベント関連では、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、デギンドスECB副総裁、チポローネECB理事、ベイリー英中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、バーFRB副議長などの講演、イベント参加などが予定されている。米週間石油在庫統計が公表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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