FX/為替「米小売売上高はドル高を後押しするか!?」 外為どっとコム トゥデイ 2024年1月17日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼16日(火)の為替相場
(1):英失業率は横ばい
(2):ユーロ圏消費者のインフレ期待が低下
(3):独ZEW6カ月連続の改善
(4):NY製造業指数、3年8カ月ぶり低水準
(5):ウォラーFRB理事「利下げ急ぐべきでない」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米小売売上高はドル高を後押しするか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
16日(火)の為替相場
期間:16日(火)午前7時10分~17日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英失業率は横ばい
英12月失業率は前月から横ばいの4.0%、同失業保険申請件数は1.17万件(前月0.06万件)だった。また、9-11月の週平均賃金(除ボーナス)は前年比+6.6%と市場予想通りに前回(+7.2%)から伸びが鈍化した。
(2):ユーロ圏消費者のインフレ期待が低下
欧州中銀(ECB)の11月調査で、ユーロ圏消費者の1年先のインフレ期待が3.2%に低下(前回4.0%)したことが明らかになった。3年先のインフレ期待も2.2%に低下した(前回2.5%)。その後、独連銀のナーゲル総裁は「インフレについてはまだ道半ば、政策判断にはデータを待つ必要」とした上で「利下げについての話は時期尚早だ」との見解を改めて示した。
(3):独ZEW6カ月連続の改善
独1月ZEW景気期待指数は15.2と市場予想(11.7)に反して前回(12.8)から上昇。6カ月連続の改善となった。ZEW(欧州経済センター)は欧州中銀(ECB)が年内に利下げするとの期待が景況感の改善に寄与したとの見方を示した。
(4):NY製造業指数、3年8カ月ぶり低水準
米12月NY連銀製造業景気指数は-43.7と市場予想(-5.0)を大きく下回り、2020年5月以来の大幅な落ち込みとなった。
(5):ウォラーFRB理事「利下げ急ぐべきでない」
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、インフレ目標2%の達成が「射程圏内」にあるとの見方を示しつつも「政策の軌道修正(利下げへの転換)は急がず、慎重に調整する必要がある」と発言。これを受けて3月の利下げ開始観測が後退すると、米長期金利の上昇とともにドルが上げ幅を拡大した。クロス円はドル/円の上昇につれ高したものの、ストレートドルの下落が重しとなり伸び悩んだ。
16日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:一目「三役好転」米小売売上高はドル高を後押しするか
昨日のドル/円は、米国の利下げを巡る過度な期待が後退する中、ドル高主導で147円台に上伸。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は「以前ほど迅速に利下げをしたり急ぐ理由はない」などと述べて慎重なペースで利下げを進める考えを示した。これを受けて3月利下げの市場織り込みが3連休前の81%前後から67%前後に低下。ドル/円は一時147.31円前後まで上伸して昨年12月6日以来の高値を付けた。
昨日の上昇で日足一目均衡表の雲上限を一気に突破。すでに達成していた転換線の基準線上抜けと遅行スパンの突破と合わせ、強い上昇シグナルとされる「三役好転」が点灯した。テクニカル分析上では148円台への続伸が視野に入ってきたと言えそうだ。本日のNY市場で発表される米12月小売売上高がドル高の後押し材料となるか注目したい。
注目の経済指標:米小売売上高
注目のイベント:高官講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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