FX/為替「ドル/円、明日の日銀会合を注視」 外為どっとコム トゥデイ 2023年12月18日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月18日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼15日(金)の為替相場
(1):中国の経済指標結果はまちまち
(2):欧州圏PMIは軒並み予想を下回る
(3):英PMIは予想を上回る
(4):米早期利下げ期待をけん制
(5):米PMIはまちまち
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:142円台後半は重そう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(金)の為替相場
期間:15日(金)午前7時10分~16日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国の経済指標結果はまちまち
中国11月鉱工業生産は前年比+6.6%と市場予想(+5.7%)を上回った。一方、同小売売上高は前年比+10.1%と予想(+12.5%)を下回った。
(2):欧州圏PMIは軒並み予想を下回る
独12月製造業PMI・速報値は43.1、同サービス業PMI・速報値は48.4といずれも市場予想(43.2、49.8)を下回った。その後に発表されたユーロ圏12月製造業PMI・速報値は44.2、同サービス業PMI・速報値は48.1だった(予想44.6、49.0)。
(3):英PMIは予想を上回る
英12月製造業PMI・速報値は46.4、同サービス業PMI・速報値は52.7と揃って市場予想(47.5、51.0)を上回った。
(4):米早期利下げ期待をけん制
NY連銀のウィリアムズ総裁は、12-13日に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ観測が高まったことについて、「利下げについて協議しているというほどでもない」と発言。また、2024年3月の利下げについて考えるのは「時期尚早」だと述べて市場の早期利下げ期待をけん制した。その後、アトランタ連銀のボスティック総裁は「インフレ率が予想通り低下すれば、2024年第3・四半期(7-9月期)には利下げを開始できる」と指摘。米シカゴ連銀のグールズビー総裁は「インフレ率が目標の2%に戻りつつある中、FRBは政策の焦点を物価から雇用に移す必要が出てくる可能性がある」との考えを示した。
(5):米PMIはまちまち
米12月製造業PMI・速報値は48.2、同サービス業PMI・速報値は51.3と、製造業PMIが予想(49.5)を下回った一方、サービス業PMIは予想(50.7)を上回った。これより前に発表された米11月鉱工業生産は前月比+0.2%と市場予想(+0.3%)に届かなかった。
15日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:142円台後半は重そう
15日のドル/円は一進一退の末、小幅高で終了。ウィリアムズNY連銀総裁の発言などから早期利下げを巡る観測がやや後退したことでドルが反発した。週末を控えてドルに持ち高調整の買戻しが入ったと見られる。ただ、ユーロ/円などのクロス円の下落が重しとなり、ドル/円は200日移動平均線が通る142円台半ばを前に伸び悩んだ。
市場は本日から始まる日銀金融政策決定会合を注視。明日の発表ではマイナス金利の解除やYCC(長短金利操作)の撤廃は見送られる公算が大きいものの、次回以降の緩和修正について「地ならし」を行う可能性があるとの観測がくすぶっている。そうした中で、円が積極的に売買されることは考えにくく、本日のドル/円は米長期金利を睨んだドル主導の値動きとなろう。200日移動平均線(142.57円前後)を大きく上放れるのは難しいと見ており、142円台後半は重そうだ。一方で、141円台前半は下値支持として機能しそうだ。
注目の経済指標:独IFO企業景況感指数
注目のイベント:シカゴ連銀総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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