FX/為替「ドル/円、150円の攻防続く 先高観と介入警戒感が交錯」 外為どっとコム トゥデイ 2023年10月23日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年10月23日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼20日(金)の為替相場
(1):日本CPI 13カ月ぶりに3%を下回る
(2):英小売売上高 予想を大幅に下回る
(3):植田日銀総裁「粘り強く金融緩和を継続していく」
(4):ドル/円 150.00円に限りなく接近
(5):中東情勢の警戒感で米長期金利低下
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:神経質な相場展開が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(金)の為替相場
期間:20日(金)午前6時10分~21日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPI 13カ月ぶりに3%を下回る
日本9月消費者物価指数(CPI)は日銀が重視する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.8%と、前月(+3.1%)から伸びが鈍化したものの市場予想(+2.7%)を上回った。伸び率が3%を下回るのは13カ月ぶり。
(2):英小売売上高 予想を大幅に下回る
英9月小売売上高は前月比-0.9%と予想(-0.4%)を下回った。自動車燃料を除いた売上高も前月比-1.0%と市場予想(-0.4%)を大幅に下回った。
(3):植田日銀総裁「粘り強く金融緩和を継続していく」
植田日銀総裁は「経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していく」とした上で、「賃金の上昇を伴う形で、2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現することを目指していく」とあらためて表明した。
(4):ドル/円 150.00円に限りなく接近
ドル/円は150.00円に限りなく接近すると149.60円台へ急速に押し戻されるなど、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感から神経質な値動きとなった。その後、再び149.90円台に戻したが150.00円超えを試す動きは強まらなかった。
(5):中東情勢の警戒感で米長期金利低下
イスラエルとイスラム主義組織ハマスの紛争にハマスの後ろ盾とされるイランが介入するとの懸念がくすぶる中、欧米株が下落幅を拡大。安全資産とされる米債買いで米10年債利回りは一時4.90%を割り込んで低下した。為替市場では米長期金利の低下を受けたドル売りとリスク回避のドル買いが交錯。主要通貨に大きな動きはなかった。
20日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:神経質な相場展開が続きそう
20日のドル/円は、150円台に限りなく接近したが伸び悩んだ。欧州市場で149.99円前後まで上昇した直後に一時149.60円台へ反落するなど、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が強かった。NY市場では、中東の紛争拡大を巡る懸念から米債利回りが低下に転じたため、あらためて150円台乗せを試す動きは強まらなかった。
ただ、本日は東京市場オープン前のオセアニア市場で150.10円台へ上昇する場面があった模様だ。東京市場オープン後は149円台後半に押し戻されているが、市場の先高観は根強いようだ。仮に150円台にしっかり乗せて年初来高値(150.16円前後)を更新するようなら、日本政府・日銀が約1年ぶりに円買い介入に踏み切る可能性もある。ドル/円は本日も、市場の先高観と当局による介入への警戒感が交錯する形で神経質な相場展開が続きそうだ。
注目の経済指標:ユーロ圏消費者信頼感
注目のイベント:特になし
特になし
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経済指標・イベントの結果について
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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