ドル円149円台後半から一時148円台後半まで急落、日銀物価見通しの報道で=ロンドン為替概況
ドル円149円台後半から一時148円台後半まで急落、日銀物価見通しの報道で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル円が一時急落した。日銀が24年度の物価見通しを2%以上に上方修正の公算大きい、23年度については3%に近い水準に上方修正する見込みと複数の関係者からの発言として報じられたことに反応。ドル円は米債利回り上昇とともに149.70近辺まで買われていたが、報道を受けて一気に148.84近辺まで下落。その後、すぐに149.50付近へと買い戻されている。先日の米JOLTS求人者数が強かったことを受けて150円台に乗せた直後に急落、急反発となった値動きに酷似している。ドル円の荒っぽい値動きが入るまでは、ドル相場はややドル買いに傾いていた。あすのバイデン米大統領のイスラエル訪問を控えて、期待とリスク回避が交錯する動きだった。ユーロにとっては独ZEW景況感指数の予想以上の改善を受けたユーロ買いが入った。一方、ポンドにとっては英就業者数の予想外の減少、週平均賃金の伸びがやや落ち着いたことなどが売りを誘った。ユーロドルが1.0530台から1.0560台で神経質に上下動する一方で、ポンドドルは1.22付近から1.2150付近へと軟調に推移。ユーロ円はドル円の急速な動きとともに158円台乗せから157円台前半へ、その後157円台後半に戻した。ポンド円は182円台割れから181円手前まで下落したあとは、181円台後半に戻した。
ドル円は149円台半ばでの取引。米債利回りの上昇とともに149円台半ばから149.70近辺まで水準を上げた。その直後に、日銀が24年度の物価見通しを2%以上に上方修正の公算大きい、23年度については3%に近い水準に上方修正する見込みと複数の関係者からの発言として報じられたことに円買いが殺到。一時148.84近辺まで急落した。しかし、すぐに149円台半ばへと買い戻されている。月末の日銀決定会合を控えて、円相場にとっては再び神経質な地合いとなってきている。
ユーロドルは1.05台半ばでの取引。東京朝方の1.0560近辺からじりじりと売られ、ロンドン朝方に1.0530台まで下落。その後売買が交錯するなかで、一時1.0563近辺に高値を小幅に更新した。ただ、全般的には方向性に欠けている。10月の独ZEW景況感指数が-1.1と予想外の改善を示したことにユーロ買い反応も、中東地政学リスクや米債利回りの上昇がドル買い圧力となっていた。ユーロ円は158円台乗せとなったあと、一時157円台前半に急落。その後157円台後半に買い戻された。円相場主導の展開になっている。対ポンドではユーロ買いが優勢。
ポンドドルは1.21台半ばでの取引。東京朝方の1.2217近辺を高値にその後は売りに押されている。ロンドン序盤には1.2150近辺に安値を更新。その後の反発は限定的。英就業者数の予想外の減少、週平均賃金の伸びがやや落ち着いたことなどがポンド売りを誘った。ポンド円は182円台割れから一時181円ちょうど手前まで急落、その後は181円台後半に反発している。ドル円とともに乱高下した。ユーロポンドは0.8650付近から0.8680付近へと買われている。総じてポンド売りが優勢になっている。ディングラ英中銀委員は、PPIは将来のCPIインフレを示唆する、などと述べた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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