ドル安ロジックは変わらないが、タイミングは確信度が弱まる=NY為替
中東紛争が短期では終結しないと見方が有力になりつつある中、これがドルに対する市場の見方を変え始めているとアナリストは指摘している。
紛争初期の反応は教科書通りにドルは上昇。エネルギーショックや安全資産需要が背景となった。いわゆる有事のドル高だが、一時は明確な方向性を持つ取引にも見えた。しかし、その後1カ月で見方は反転。紛争は短期で終わり、ドル高もすぐに巻き戻されるとの前提が広がり、投資家はドル安方向にポジションを傾けた。
だが、今度はこの前提も修正されつつあるという。原油価格は90-110ドル、あるいはそれ以上のレンジが一時的ではなく、新たな前提として意識され始め、この変化が市場のタイミングを狂わせていると述べている。
ドル安のロジック自体は崩れていない。変わったのは、それを実行するタイミングに対する確信度の弱さだという。短期のドル高志向は残る一方、中期ではドル安にバイアスが転じているが、その確信度は先週よりも弱まっているという。
米大手証券は中期的にユーロドルが1.20-1.25ドルへ上昇する可能性を指摘していたが、その見方を直ぐに解消。「見通しが間違っていたというよりも、タイミングが合わなかった」としている。早過ぎる正しさは誤りと見分けがつかない。
ドルには構造的な支えもある。紛争はドルの基軸通貨としての地位を損なうどころか、むしろ強化している。国際決済ネットワークであるSWIFT(国際銀行間通信協会)のデータでは、ドルの国際決済シェアは3月に51%を超え、2023年以来の高水準となった。ストレス局面ではドル需要は減少ではなく増加する傾向があるという。
このため市場は難しい局面にあるとしている。多くの投資家は中期的なドル安を認めつつも、短期的には買われやすい通貨になっており、それに逆らうことに躊躇している。ドル強気派は大きなトレンドに逆らっていると感じ、弱気派は早過ぎてリスクを抱えていると感じていると論じている。
USD/JPY 159.54 EUR/USD 1.1715 GBP/USD 1.3518
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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