中東での地政学リスクでドル買いも、値動き限定的 ドル円は１４９円台前半＝ロンドン為替概況

中東での地政学リスクでドル買いも、値動き限定的　ドル円は１４９円台前半＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、ドル買いが優勢。週末にハマスとイスラエルの攻撃・報復の応酬が繰り返され、民間人にも多大の死傷者が出たことがリスク回避のドル買いにつながっている。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移。原油先物や金先物は買われている。ただ、ロンドン時間に入ってからのドル買いの値動きは限定的なものにとどまっている。ユーロドルは1.0550割れから1.0520近辺まで、ポンドドルは1.22付近から1.2160台までの下げ。ユーロ円は157.50付近から156.90近辺へ、ポンド円は182円台割れから181.40台へと軟化している。ドル円は149.10-20レベルでの膠着状態が続いている。週明けのオセアニア市場開始時にみせたドル買い・円買いの動きのあとは比較的落ち着いた値動きになっている。このあとの米国市場はコロンブスデーのため米債券市場が休場となる。カナダ市場は感謝祭のため休場。主要な経済統計発表予定はなく、手掛かり難となる。

　ドル円は149円台前半での取引。週明けのオセアニア市場で149.24近辺から148.99近辺まで下落。中東での地政学リスクを受けて下落した。しかし、その後はやや買い戻されて149.10-20を中心とした揉み合い相場が続いている。

　ユーロドルは1.05台前半での取引。週明けオセアニア市場で1.0574近辺から1.0540近辺へと下落。その後はアジア時間に下げ渋りもロンドン時間には再び上値が重くなり、一時1.0520近辺と本日の安値を広げた。その後は1.05台前半で推移している。ユーロ円は週明けに157.80付近から157円台割れ目前まで下落。その後の買い戻しは157.70手前まで。ロンドン時間には157.50付近が重くなると安値を156.90近辺に更新した。対ポンドでは方向感なく売買が交錯している。カザークス・ラトビア中銀総裁は「インフレ見通しが永続的に２％を下回るとき、利下げ開始できるだろう」「現時点で、利上げを一時停止する可能性ある」とした。デギンドスＥＣＢ副総裁は、「今後数カ月はインフレ率が低下するとみているが、原油価格動向には注意」「現在の金利水準が物価の安定の寄与すると予想」と述べた。

　ポンドドルは1.21台後半での取引。週明けに1.2225近辺から1.22台割れ水準まで下落。その後の下げ渋りは限定的で、ロンドン時間には1.22台割れから安値を1.2164近辺に広げている。ポンド円も183.30台から181.70付近まで下落した後、182円台に戻したが上値は重く、ロンドン時間には181.40台へと安値を広げている。ユーロポンドは0.8640付近から0.8660付近で売買が交錯しており、方向性には乏しい。

minkabu PRESS編集部 松木秀明