米関税引き上げ、ECBの利下げ拡大につながる可能性=NY為替
きょうのユーロドルは先ほどからやや売りが優勢となっているものの、1.16ドル台後半を中心に推移している。1.20ドルを目指す上でポイントとされていた1.17ドルを割り込んでおり、下値警戒感も高まっている状況ではある。
トランプ大統領がEUに30%の関税を課すと警告しているが、アナリストはそれについて、欧州の景気減速を長引かせECBの利下げ幅拡大につながる可能性があると指摘している。関税引き上げはユーロ圏の成長と短期的なインフレ低下を意味し、これはECBが6月に公表した代替シナリオと同様だという。これにより、ECBは景気刺激を目指す緩和策に移行し、中銀預金金利は2026年第1四半期までに現行の2.00%から1.00%まで引き下げられると予想している。
一方、現在の関税構造を維持できる交渉の余地はまだ残されているとも指摘。しかし、そうした結果は事態がエスカレートした後でなければ達成できない可能性があり、逆にEUが報復措置を導入すれば、米国はさらなる関税引き上げに踏み切る可能性もあるという。
EUR/USD 1.1662 EUR/JPY 172.29 EUR/GBP 0.8684
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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