【これからの見通し】強い米求人統計でドル円150円台乗せも、出鼻をくじかれる
【これからの見通し】強い米求人統計でドル円150円台乗せも、出鼻をくじかれる
今週は金曜日の米雇用統計を筆頭に、米雇用関連指標が連日発表される。昨日の米JOLTs求人件数では予想外に大幅な増加がみられたことで、米債券利回りの上昇に拍車がかかり、ドル円も節目水準である150円台に乗せた。しかし、その直後に一気に147円台前半まで急落。介入と思しき動きだ。その後はすぐに149円付近へと買い戻されて現在の149円台前半の水準に至っている。
米雇用指標の強さが賃金上昇圧力を通じて米インフレを根強いものとしている。一連の雇用関連指標が強含むようだと、再び米債利回り上昇とともに、全般的なドル買い圧力につながりやすい状況となっている。きょうは米ADP雇用統計とISM非製造業景気指数、あすは新規失業保険申請件数、金曜日は本命の米雇用統計の発表を控えている。気の抜けない週となっている。ただ、介入観測が広がるなかで、出鼻をくじかれた面もあり、投機筋はいったん矛先を収める可能性もありそうだ。介入額の詳細については月末の統計で判明することとなり、それまでは憶測の域を出ない形となっている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米指標のほかにも、独仏ユーロ圏、英国、米国などの非製造業PMI確報値(9月)、ユーロ圏生産者物価指数(8月)、ユーロ圏小売売上高(8月)、米MBA住宅ローン申請指数(09/23 - 09/29)、米製造業新規受注(8月)、米耐久財受注(確報値)(8月)などの発表されている。
発言イベント関連では、ラガルドECB総裁とパネッタECB理事がECB金融政策会議「金融政策:インフレと金融不安」でスピーチを行う。センテノ・ポルトガル中銀総裁が月例経済報告と最新経済予測を公表。デギンドスECB副総裁がキプロス中銀主催年次会議に出席。ボウマンFRB理事がセントルイス連銀主催会議に出席する。グールズビー・シカゴ連銀総裁がイベントであいさつ、討論会に参加する。その他には、OPECプラス合同閣僚監視委員会(JMMC)の開催、米週間石油在庫統計の発表と原油相場関連のイベントが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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