ユーロが堅調、欧州株反発でリスク警戒が後退 ドル円も買い戻される=ロンドン為替概況
ユーロが堅調、欧州株反発でリスク警戒が後退 ドル円も買い戻される=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ユーロが堅調に推移している。前日に株安を招いたイタリア政府の銀行超過利益に対する課税について、きょうは課税額が銀行資産の0.1%を超えないとの上限を設けると表明した。銀行株が買い戻され、欧州株全般にリスクセンチメントが改善した。独仏株価指数は1%超高となっている。ドル円は143.00付近まで軟化したあと、143.40付近まで反発。ユーロ円は157円台割れでは買いが入り、高値を157.50台に更新。ユーロドルは1.09台後半で一時1.0990付近まで買われている。ただ、ポンドは対ユーロで売られた影響で、対ドルでも1.2780台まで買われたあとは1.2730付近に反落、対円は183円をつけたあとは182.50割れまで反落と上値を抑えられている 明日の米消費者物価指数発表を控えて、前日の動きに調整が入る面もあり、全般的には方向性が定まらない展開となっている。
ドル円は143円台前半での取引。東京市場では143.40付近からじり安の流れとなった。ロンドン朝方には安値を143.00近辺まで広げた。しかし、ロンドン勢の本格参加とともに反発に転じた。欧州株や米株先物が堅調に推移し、米債利回りも下げ渋ったことに反応。ユーロ円の上昇とともに買われ、高値を143.43近辺に伸ばした。米30年固定金利が7%台に上昇、住宅ローン申請指数は3週連続のマイナスとなった。米10年債利回りは4.03%台に上昇している。
ユーロドルは1.09台後半での取引。東京市場からのじり高の流れを受けて、ロンドン序盤には1.0989近辺まで高値を伸ばした。その後は上昇一服も1.09台後半に高止まりしている。ユーロ円はロンドン時間に入ると騰勢を強め、157円付近から一時157.52近辺に高値を伸ばした。対ポンドでもユーロ買いが優勢。イタリア銀行に対する新規課税について、課税額に上限が設けられると報じられており、欧州株が反発、ユーロ買いにつながった面も。
ポンドドルは1.27台前半での取引。東京市場でのじり高の流れを受けてロンドン朝方には高値を1.2782近辺まで伸ばした。しかし、その後は売りに転じると、米債利回り上昇とともに1.2730近辺に安値を更新している。ユーロポンドは0.86台割れ水準から0.8630付近へと上昇。対ユーロでのポンド売りが、対ドルや対円に波及した面も指摘される。全般的には明日の米消費者物価指数を控えたポジション調整の動きになっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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