ドル買いと円買いが交錯、英中銀は予想通りの利上げ、成長見通し引き上げ=ロンドン為替概況
ドル買いと円買いが交錯、英中銀は予想通りの利上げ、成長見通し引き上げ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いと円買いが交錯している。英中銀の金融政策発表を控えて、ドル買いの動きが先行した。前日の米消費者物価指数発表後のドル売りを巻き返す動きがみられた。ドル円は134円付近から一時134.84近辺まで反発。ユーロドルは1.0980付近から1.0920付近へと下落。ポンドドルも1.26台割れから1.2565近辺まで下押しされた。日本時間午後8時に発表された英中銀金融政策は、市場予想通りの25bp利上げで政策金利は4.50%に引き上げられた。特筆すべき点は成長予想が大幅に引き上げられたことだ。2023年、24年ともに2月時点でのマイナス成長予測から今回はプラス成長へと引き上げられた。インフレについては減速予測となったが、そのペースは2月時点よりも緩やかなものに修正されている。ポンド相場は発表を受けて買いの反応を示した。ただ、英中銀は今後の追加利上げの可能性も示唆しており、欧州株や米株先物は売りに反応している。為替市場では円買い圧力が再燃している。ポンド円は英中銀発表後の上昇を消している。
ドル円は134円台前半での取引。序盤は買いが先行。134.20付近から一時134.84近辺まで買われた。ユーロドルなどでのドル買いの動きが波及した格好だった。しかし、上値が重くなると再び134.10台へと反落。上に往って来いとなっている。英中銀の利上げ発表とともに株安の動きからリスク回避の円買いにつながっている。
ユーロドルは1.09台前半での取引。ロンドン朝方からドル買いの動きが広がり、ユーロドルは1.0980付近から1.0920付近へと下落した。その後は安値付近での揉み合いとなっている。ユーロ円は147円を挟んだ振幅のあと、売りに押されて146.60付近へと下押しされている。ECB消費者インフレ期待調査では、1年後、3年後のインフレ期待が前回から上昇した。根強いインフレ見通しが示されている。対ポンドではユーロ売りが優勢。
ポンドドルは1.26付近での取引。序盤はユーロドルとともに軟調に推移。1.26台割れから1.2565近辺まで下落した。英中銀は市場予想通り25bp利上げで政策金利を4.50%に引き上げた。票割れは前回と同様に7対2だった。2名のメンバーは引き続き据え置きを主張した。英中銀は追加利上げについて示唆、また経済予測では成長見通しを大幅に引き上げ、23年、24年のマイナス成長をプラス成長に引き上げた。インフレ見通しについては減速予測も前回からは緩やかなペースに改定した。ポンドドルは1.26台乗せへと反発している。ポンド円は169円台前半から後半で振幅。英中銀発表後に169.70付近まで買われたが、その後は169円台前半に押し戻されている。ユーロポンドは軟調。0.8700付近が重くなると0.8660付近まで下落した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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