ドル円は137円台半ばまで上げ加速 ISM指数が予想上回る 今週はFOMC=NY為替概況
ドル円は137円台半ばまで上げ加速 ISM指数が予想上回る 今週はFOMC=NY為替概況
きょうから5月相場に入って、ドル円は先週からの上げを加速させ、137円台半ばまで上昇した。この日発表の米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことで、ドル買いの反応が強まっている。特に、雇用指数が50を上回ったことや仕入価格が急上昇したことがドル買いに繋がったようだ。
ドル円は先週からの上昇で、上へのレベルシフトが見られている模様。一部からは140円を目指す展開を期待する声も出ており、オプション市場では6月末までに140円にタッチする確率を60%近くまで高めている。
先週は植田総裁就任後初となる日銀決定会合が行われたが、現状の金融緩和策を据え置いた。これを受けて市場では、日銀が出口戦略に舵を切る時期を後退させる動きが出ている。
そのような中、今週の最注目はFOMCということになりそうだ。0.25%ポイントの利上げが確実視されている一方で、市場は6月以降のヒントを探している。その意味ではパウエルFRB議長が利上げ停止の可能性に傾斜するかどうかが注目されるが、この日のISM指数もそうだが、足元の経済指標からは、その可能性は低く、FRBはもう少し指標を確認したい意向が強いものと思われる。米労働指標は今後低下が想定れるものの、インフレ指標に関してはまだ未知数の部分が多い。FRBは先行きについて、今回はオープンにして置くとの見方も多いようだ。
ユーロドルは再び1.09ドル台に下落。本日の21日線が1.0965ドル付近に来ているが、その水準を維持できるか注目される。今週はECB理事会が予定され、市場は利上げを確実視している。ただ、0.25%か0.50%かで意見が分かれており、その意味では明日の4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値の発表が注目される。
市場はECBのタカ派姿勢がもうしばらく続くとの見方を強めているが、一方で域内最大の経済大国であるドイツの景気後退リスクは依然として高いとの指摘も聞かれる。ドイツは僅差でテクニカル的なリセッション(景気後退)への転落を免れたが、そのリスクが完全に回避されたわけではないという。冬の温暖な気候、中国の経済再開、そして、サプライチェーン緩和によるドイツ製造業の回復は景気後退の危険水域から抜け出るには不十分だという。
ドイツの消費者は依然としてエネルギー価格高騰に苦しんでおり、製造業の生産高はいまのところ持ち堪えているものの、世界経済の減速と金利上昇による影響が今後、同国の輸出部門を直撃する可能性があるという。ドイツ経済の全体的な方向性は明確で、今年は停滞との長い付き合いが続くことになるとも付け加えた。
ポンドドルも再び1.24ドル台に下落。本日の21日線が1.0950ドル付近に来ているが、その水準を試に行くか注目される。今週はFOMCとECB理事会が控えており、その行方にポンドも左右されそうだ。
ただ、ポンドに対する市場の強気な見方に変化はない。今年に入ってG10通貨の中で最も好パフォーマンスを挙げているが、この流れは年内一杯続くとの見方も出ている。
英インフレが思ったほど低下を見せない中、英中銀の利上げはもうしばらく続くとの見方も浮上しており、英中銀は政策金利を5.00%まで引き上げるとの見方も浮上している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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