インフレとの闘いと欧州の金融不安 どちらがユーロ相場を支配するのか=ロンドン為替
インフレとの闘いと欧州の金融不安 どちらがユーロ相場を支配するのか=ロンドン為替
今日のロンドン市場ではユーロ相場が下落している。ECBは先週の会合で50bp利上げを実施し、インフレ抑制を優先していることが市場に印象付けられた。きょうもナーゲル独連銀総裁が「インフレとの闘いはまだ終わっていない」「政策金利を十分に制限的な水準まで引き上げる必要」「第3四半期からのQTを加速させること望む」とインフレ対応に対する声を大にしていた。
しかし、足元の欧州金融不安は広がりをみせている。きょうはドイツ銀行など一連の欧州銀株が急落している。足元でドイツ銀株は14%安になっているクレディスイス救済のためにUBSが買収することとなったが、その際にクレディスイスのAT1債が無価値化した。これが投資家の不信感を買って欧州銀のAT1債が全般的に手放され、銀行株急落にもつながっている。短期的にはユーロ売り圧力が勝る展開となっている。
ユーロドルは一時1.0722レベル、ユーロ円は139.07レベル、ユーロポンドは0.8777レベルまで本日の安値を広げている。リスク回避のドル買いというよりは、ユーロ全面安の状況となっている。
EUR/USD 1.0730 EUR/JPY 139.38 EUR/GBP 0.8792 EUR/CHF 0.9870 EUR/AUD 1.6158

執筆者 : MINKABU PRESS
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