アジア株 上海株上値重い、予想外の米中改善受け刺激策期待が後退 国家隊の出番なくなる
アジア株 上海株上値重い、予想外の米中改善受け刺激策期待が後退 国家隊の出番なくなる
東京時間14:00現在
香港ハンセン指数 23134.13(-415.33 -1.76%)
中国上海総合指数 3371.86(+2.61 +0.08%)
台湾加権指数 21365.25(+235.71 +1.12%)
韓国総合株価指数 2603.75(-3.58 -0.14%)
豪ASX200指数 8257.00(+23.47 +0.29%)
インドSENSEX30種 81766.25(-663.65 -0.81%)
アジア株はまちまち。米中の予想以上の関税引き下げを受け市場に安堵感が広がっている。
米国は対中関税を50-60%に引き下げの可能性との報道が伝わっていたがトランプ氏は80%が妥当としていた。ただ、引き下げは予想以上だった。トランプ米政権は対中関税を145%から30%にまで大きく下げ、中国も対米関税を125%から10%に引き下げた。
中国習近平国家主席は米国側からの度重なる呼びかけを拒否していた。中国は株価・景気を下支えする策をいくらでも用意しているため、米国に対し一歩も引かない姿勢を維持している。米中貿易交渉はトランプ米政権が譲歩したという結果になり、今後中国は米国に対し、いかなる交渉においても主導権を握っているという自信を持つことになる。
関税政策によりトランプ氏の支持率が急低下、消費者心理は悪化し米景気後退が懸念されている。一方、中国は国民による選挙がないため国民の不満に左右されない。経済的打撃だろうが消費者心理悪化だろうが強硬姿勢を維持できるわけだ。
上海株は小幅高。米国の対中関税大幅引き下げにより投資家心理が改善しているため、当局が支援策を講じる必要性がなくなった。「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドは今後1-2カ月は出番はないとの声。上海株は3月27日以来およそ6週間ぶり高値をつけている。
香港株は大幅反落。前日の場中に米中関税引き下げ発表があり、きのう3%近く上げて取引を終えた。きょうは利益確定の売りに押されている。ハイテクや素材、自動車、消費者サービスなどが下落している。
インド株は0.81%安。序盤に約7カ月ぶり高値をつけたあとは利益確定売りに押されている。インド・パキスタン停戦合意受け地政学リスクに対する警戒感が後退している。

執筆者 : MINKABU PRESS
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