ユーロ相場下げ渋り、金融不安への警戒感一服してECB理事会待ちに=ロンドン為替概況
ユーロ相場下げ渋り、金融不安への警戒感一服してECB理事会待ちに=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロ相場が下げ渋っている。前日はクレディスイスの経営不安を背景に同社株が上場来安値を更新となり、市場全般にリスク警戒の動きが広がった。しかし、クレディスイスがスイス中銀から最大500億フランを借り入れる計画を発表したことで事態は落ち着いた。欧州株の開始時には同社株は40%高と反発。欧州株は銀行株主導で買い戻されている。ただ、この後の一連の米経済指標発表やECB理事会の結果待ちのムードが広がるなかで、各市場の値動きは落ち着いてきている。ドル円は132円台半ばから133円台前半での上下動で、方向性に欠けている。ユーロ相場は下げ渋り。ユーロドルは一時1.0635近辺、ユーロ円は141.58近辺に本日の高値を伸ばしたあと、上昇一服となっている。対ポンドではユーロ買い優勢を維持。ポンド相場はリスク動向の回復を受けて買い先行も、その後は調整売りに押されており、上値が重い印象。ポンドドルは一時1.21台乗せも、1.2050割れへと反落。ポンド円は161円台乗せも160円台割れへと反落。
ドル円は132円台後半での取引。東京午前に132.50から133.49で振幅したあとは、終始レンジ内で推移している。ロンドン市場でも方向感なく売買が交錯している。前日NY市場後半からはリスク回避の動きが一服しており、そのムードを引き継いだ格好となっている。この後の米経済統計やECB理事会待ちに。
ユーロドルは1.06付近での取引。前日NY序盤までの下落が一服。その後はじり高の動きが続いている。ロンドン序盤には1.0635近辺まで戻り高値を伸ばした。その後は買い一服となり1.06付近での取引に落ち着いている。ユーロ円はドル円と同様に方向感なく上下動。ロンドン序盤に141.58近辺まで上昇したあとは141円台割れ水準まで押し戻された。対ポンドではやや売りが入ったあとは、ユーロ買い優勢に推移している。このあとのECB理事会についてはエコノミスト予想は50bp利上げがコンセンサスも、短期金融市場では金融不安の影響で25bp利上げの見方も拮抗している。
ポンドドルは1.20台前半での取引。ロンドン序盤に1.2113近辺に高値を伸ばしたが、その後は対ユーロでのポンド売りとともに1.2030付近へと下押しされてきている。ポンド円も161.25近辺まで買われたあとは、159.80近辺に反落。いずれも前日NY安値には届いていない。ユーロポンドは買いが優勢。0.8770台で下げ止まると、0.8820付近へと上昇している。特段のポンド売り材料はみられないが、ECB理事会を控えてユーロ買いが入った影響もあるようだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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