ドル円は139円台に戻す 感謝祭明けの金曜日で動意薄=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが優勢となっており、139円台に戻している。きょうは感謝祭明けの金曜日で市場参加者も少なく、動意薄の展開も見られた。
来年にドルが下落した場合、他の通貨と比較しても円が相対的に大きく上昇する可能性があるとの指摘も出ている。これは、債券高(利回り低下)と株安の正の相関が崩れており、米10年債利回りが来年末には2.75%前後まで低下するという仮定に基づいているという。このシナリオでは、ドル円は125-130円まで下落する可能性があるとしている。なお、黒田日銀総裁が来年4月に任期を迎えることもドル円の変動要因になる可能性があるとも付け加えている。
ユーロドルはNY時間にかけて売りが優勢となり、1.03ドル台半ばに一時下落していたものの、NY時間に入って買い戻しが膨らみ、1.04ドル台まで戻す展開となっている。市場では12月のECB理事会での利上げ幅を巡って見方が分かれている。そのような中、来週は11月分のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表になり、それを占う上で市場も注目している。
現時点で11月のコア指数に対する市場の予想コンセンサスは前年比5.0%となっているが、それが予想を上回り、前年比5.4%程度となれば、ECBのタカ派理事が0.75%ポイントの追加利上げを強く主張するには十分と見られている。一方、予想通りもしくは予想を下回るようであれば、インフレのペース鈍化を市場に意識させ、タカ派な見方は後退すると見られている。
なお、短期金融市場では0.50%ポイントの利上げ確率が60%、0.75%ポイントが40%となっている。ユーロ圏HICP速報値は来週11月30日水曜日の日本時間19時に発表予定。
ポンドドルはロンドン時間に売りが優勢となり、1.2060ドル付近まで一時下落していたものの、NY時間に入って1.20ドル台後半に戻す展開となっている。
ドル買いが一服する中、ポンドドルは買い戻しが膨らみ、心理的節目の1.20ドルを回復している。ただ、ここからさらにポンドが回復する余地は限定的との見方も出ている。投資家のポジション調整が最近のポンド回復に重要な役割を果たしているが、さらなる上値追いには慎重になるべきだという。ポンドドルは1.22-1.23ドルまで一時的に上昇する可能性はあるものの、この水準が年内の最高だと指摘。
インフレ抑制に向けた英中銀の追加利上げが確実視される中、年末から来年初めにかけて、英経済が難しいリスク環境に入る可能性を考慮すると、これ以上のポンドの上値は追いずらいという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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