米CPI後にドルは乱高下 株急伸でリスク回避後退 悪材料出尽くし感か=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドルは大きく上下動した。この日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)が強い内容を示し、改めてFRBのタカ派姿勢を裏付ける内容となった。為替市場ではドル買いが強まり、ドル円は一時147.65円付近まで上昇。しかし、米株式市場が急落から急伸に転じたことで、リスク回避のドル買いが一気に後退している。特段の材料はないが、全体的に悪材料出尽くし感が出たのかもしれない。ドル円も伸び悩む動きを見せた。
米CPIの発表を受けて市場では、11月、12月の両FOMCで0.75%ポイント利上げを織り込む動きが見られている。9月の米CPIは広範な分野で物価の上昇が確認され、特に住居費、食品、医療での伸びが目立った。FRBが注視していると見られる食品とエネルギーを除くコア指数も40年ぶりの高水準となり、FRBのタカ派姿勢を裏付ける内容となった。
なお、ドル円は米CPI発表後に147.65円付近まで急速に上昇した後、数十秒の間に一気に146.50円付近まで1円以上急落する場面が見られた。不思議な力が働いたのかどうかは不明だが、その後は147円台に再び戻す展開。
ユーロドルは買い戻しが強まり、一時0.98ドル付近まで急速に戻した。米CPIを受けて売りが強まり、一時0.9635ドル近辺まで下落する場面が見られていた。
きょうはドイツの9月の消費者物価指数の確報値が発表になっていたが、総合指数はEU基準で前年比10.9%の上昇となった。速報値と同じで、統計で遡れる1997年以降で過去最高。ウクライナ危機に伴う供給不安で、エネルギーを中心に幅広い品目が値上がりした。政府のインフレ対策が8月で終了した反動も出ている。
ただ市場からは、ドイツのインフレはさらに上昇する可能性があるとの声も聞かれる。政府のインフレ対策の反動のほか、冬場の在庫減少に伴うガス価格を始めとしたエネルギー関連は大きなワイルドカードとなるという。冬場の天候不順も警戒される。石油・ガス価格は前年のベース効果でインフレが最悪期を脱した可能性はあるが、ガス価格上昇が公共料金に反映されるまでには時間差があるため、さらに厄介な高騰が待ち受けている可能性があるという。
ポンドの買い戻しが目立ち、ポンドドルは1.1370ドル付近まで一時回復したほか、対ユーロ、円でも買いが膨らんでいる。ポンド円はドル円の上昇も手伝って167円台まで一時上昇。
トラス首相が減税案の方向転換に向けて作業中だと報じられた。英首相府と財務省の当局者らはトラス首相の大型減税計画についてどのような方向転換が可能かを協議しているとしている。当局者らは首相に提示する選択肢の草案を作成しているが、最終決定はなされておらず、クワーテング財務相がIMFの会合出席のため訪れているワシントンから戻るのを待っているという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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