「ドル/円、上ヒゲ小陰線」 外為トゥデイ 2021年8月12日号
目次
▼11日(水)の為替相場
(1):ドル/円 7月7日以来の高値
(2):米CPI 概ね予想通り
(3):米10年債、応札倍率 前回上回る
11日(水)の為替相場
期間:11日(水)午前6時10分~12日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ドル/円 7月7日以来の高値
米連邦準備制度理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)の早期開始観測などを背景に欧州市場で時間外取引の米10年債利回りが上昇。利回りが約1カ月ぶりに1.37%台へと上昇する中、ドル/円も7月7日以来の高値となる110.80円前後まで上伸した。
(2):米CPI 概ね予想通り
米7月消費者物価指数は前月比+0.5%、前年比+5.4%、コア前年比+4.3%と概ね予想通りの伸びとなった(予想+0.5%、+5.3%、+4.3%)。ただ、前月比の伸びが6月の+0.9%から大きく鈍化した事などから、米国のインフレはピークアウトしたとの見方が広がった模様で、米長期金利の低下とともにドルは売りが強まった。早期テーパリングを見込んだ短期筋の持ち高調整のドル売りも相まって、ドル/円は110.40円前後まで下落。クロス円は、ドル/円の下落とストレートドルの上昇に挟まれて方向感が出にくかったが、豪ドル/円は米国株先物の上昇や原油価格の持ち直しに支えられて強含んだ。
(3):米10年債、応札倍率 前回上回る
米10年債入札(410億ドル)は応札倍率が2.65倍となり、前回の入札(2.39倍)を上回る需要が確認された。これを受けて利回りが1.30%台まで低下すると、ドル/円も110.31円前後へと下落した。
11日(水)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:調整含みの展開へ
昨日のドル/円は6日ぶりに反落。110.80円前後まで上昇して7月7日以来の高値を付けるなどドル買いが先行したが、米7月消費者物価指数の発表後に米長期金利が低下すると110.31円前後まで下落した。終値は110.43円前後で前日比約0.1%の小幅安だった。なお、米7月消費者物価指数は前年比+5.4%と約13年ぶりの高水準にとどまったものの、前月比では+0.5%となり6月の+0.9%から伸びが鈍化。市場はこれをインフレがピークを付けた兆候と受け止めたようだ。
ドル/円の日足は「上ヒゲ陰線」で引けており、一目均衡表の雲の上に突き出したヒゲが上値の重さを物語っている。110円台後半は戻り売りのターゲットになりやすいと見られ、目先的には調整含みの展開が見込まれる。ただ、昨日の米7月消費者物価指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)期待を後退させた訳ではない。ドル/円は下値も限られる公算で、仮に110.00円を割り込めば押し目買いが入る事になりそうだ。
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