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ドル売り強まる 米雇用統計がショッキングな内容=NY為替後半

為替 

 NY時間の終盤に入ってもドル売りの流れは継続しており、ドル円は108.60円近辺で推移している。きょうのNY為替市場はドル売りが強まっており、ドル円も一時108.35円付近まで下落する場面がみられた。朝方発表の4月の米雇用統計がショッキングな内容となったことで、市場には動揺が走った模様。非農業部門雇用者数(NFP)は26.6万人増となったが、市場の予想コンセンサスは100万人増で、なかには100万人を大きく超えるとの強気な見方まで出ていた。

 市場の見解を総合すると、他の指標も鑑みてパンデミックからの景気回復トレンドの鈍化を示す内容ではないとの意見が多い。ただ一方で、少なくとも利上げはおろか、資産購入ペース縮小など、市場が描いていたFRBの早期出口戦略着手への期待は大きく後退させる内容との見解も多く見受けられる。

 ただ、ショッキングな米雇用統計だったもののインフレ期待は逆に高まっている。米インフレ期待を示す米10年債のブレークイーブン・レートは一時2.50%まで上昇し、2013年以来の高水準となった。今回の弱い米雇用統計でFRBの出口戦略着手への期待が後退し、バイデン大統領のインフラ投資策への期待感も高まる。インフレを上昇させる環境が長引くと見ているのかもしれない。

 ドル円は現在までの下げで21日線を再び下回って来ている。4月の下旬以降、調整の動きも一服し買い戻しが見られていたが、再び107円台に向かって下落して行くのか、それとも110円に向かうのか、来週以降の動きが注目される展開となってきた。

 ユーロドルは買いが強まり、一時1.2165ドル近辺まで上昇する場面がみられた。きょうの上げで100日線を上放れる動きが見られており、来週以降の展開が注目される。目先は2月につけた直近高値の1.2245ドル付近まで買い戻されるか注目される。

 前日は英中銀が資産購入のペースを減速させていた。迅速なワクチン展開で英経済への期待感が高まっており、英中銀も成長見通しを上方修正していた。その流れの中で市場ではECBもパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)による債券購入のペースを減速させてくるのではとの見方も一部には出ている。本日はECB理事のカザークス・ラトビア中銀総裁の発言が伝わっていたが、総裁は「景気が悪化しなければ、ECBは来月にも債券購入ペースの減速を決定することはあり得る」との認識を示していた。6月の理事会ではECBのスタッフ見通しも発表される。

 ポンドドルは買いが強まり、1.40ドルちょうどまで上昇。英国ではワクチン接種の進展が進んでおり、英政府は成人の3分の2が1回以上のワクチンを接種したことを明らかにした。5月17日から海外への渡航を解禁する方針も示されており、12地域を安全リストに指定する意向。

 前日は英中銀金融政策委員会(MPC)の結果が発表され、債券購入ペースを週34億ポンドに減速させることが発表された。概ね予想通りだったこともあり、市場の反応は限定的だったが、英中銀は出口戦略の開始ではないことを強調していた。また、英中銀およびベイリー総裁はフォワードガイダンを示さなかったが、それを示すことに躊躇していることで、指標に対して英国債が過度に敏感に反応する可能性があるとの指摘も出ている。特に強い内容の指標に対して敏感な反応が出る可能性があるという。英国債とともにポンドも敏感に反応する可能性もありそうだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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