「ドル/円、米債利回りがカギに」 外為トゥデイ 2021年1月15日号
目次
▼14日(木)の為替相場
(1):米経済対策 2兆ドル報道で長期金利上昇
(2):独2020年GDP 大幅な落ち込み
(3):ECB議事録 為替レート上昇リスクを懸念
(4):米失業申請 20年8月以来の高水準
(5):FRB議長 早期のテーパリングを否定
14日(木)の為替相場
期間:14日(木)午前7時10分~15日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米経済対策 2兆ドル報道で長期金利上昇
バイデン次期米大統領がこの日発表する予定の追加経済対策案が2兆ドル規模になるとの観測報道が伝わると、ドル/円は米長期金利の上昇とともに104.196円前後まで上伸した。豪ドル/円はドル/円の上昇の他、中国12月貿易収支が781.7億ドルの黒字(予想:720.0億ドルの黒字)となった事も追い風となった。
(2):独2020年GDP 大幅な落ち込み
独2020年国内総生産(GDP)は前年比-5.0%と、2009年の-5.7%に次ぐ大幅な落ち込みとなった。ただ、市場予想(-5.2%)ほどには減少しなかった。
(3):ECB議事録 為替レート上昇リスクを懸念
欧州中銀(ECB)は12月10日の理事会の議事録を公表。「不確実性は依然として高く、ポジティブなセンチメントが急速に低下する可能性があることに注意が必要」「為替レートの上昇リスクについて、インフレ見通しに悪影響を及ぼす可能性があるという懸念を表明」などとする見解が示された。
(4):米失業申請 20年8月以来の高水準
米新規失業保険申請件数は96.5万件と予想(78.9万件)を上回り、前週(78.4万件)から大幅に悪化。申請件数は2020年8月以来の高水準を記録した。
(5):FRB議長 早期のテーパリングを否定
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米国経済の状況が物価や雇用の目標からかけ離れているとの見方を示した上で、量的緩和の段階的縮小(テーパリング)に関する議論は時期尚早と明言した。これを受けてドル/円は103.562円まで下落したが、米長期金利がバイデン氏の経済対策期待などを支えに上昇を維持したため下値は堅かった。
14日(木)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
本日の見通し
ドル/円の見通し:米債利回りがカギ
昨日のドル/円は小幅に反落。バイデン次期米大統領が2兆ドル規模の追加経済対策を提案するとの報道で米長期金利が上昇すると104.20円付近まで上昇したが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、量的緩和の縮小(テーパリング)に関する議論は時期尚早との見解を示すと103.56円前後へと反落した。
なお、バイデン氏が追加経済対策の概要を正式に発表するのは本日9時15分の予定だ。その規模と内容を巡る評価で東京市場のドルは動きが激しくなる公算が大きい。ドル/円は、時間外取引の米国債利回りや米国株先物の反応がカギとなりそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
マネーを育てよう!をテーマに、外為どっとコム総合研究所に所属する研究員が執筆するオリジナルレポートのほか豪華講師陣の貴重なFXレポート、個人投資家や著名投資家のインタビュー記事など、バラエティ豊かな情報を配信しています。為替トレンドに合わせた特集記事やFX初心者でも安心の学習コンテンツを用意しており、個人投資家の取引技能の向上に寄与すべく活動しています。