振幅も次第に円売り優勢へ、米銀行決算に期待=ロンドン為替概況
振幅も次第に円売り優勢へ、米銀行決算に期待=ロンドン為替概況
14日のロンドン市場は、振幅後に次第に円売りが優勢になっている。序盤は欧州株が下落スタートとなりリスク警戒の動きが先行した。米国の南シナ海に関する声明が中国のから強く反発されており、海洋覇権をめぐる両国の対立が鮮明になっていることが背景。しかし、ドル高や円高の動きは続かず、ドル安・円安に方向転換している。JPモルガンの好決算が発表されており、NY市場での米株の反発が期待されているようだ。ドル円は107.10台から107.40近辺へ、ユーロ円は121円台半ばから122円台乗せへと上昇。ユーロドルも1.13台前半から後半へと買われている。一方、ポンドは上値が重い。ポンドドルは1.25台半ばから前半へと軟化。ポンド円は134円台前半まで下落後の戻りは134円台半ばと限定的。ユーロポンドが0.90台後半へと上昇している。5月の英月次GDPは前月比+1.8%と事前予想+5.5%には届かなかった。英予算責任局(OBR)は、最悪シナリオで、2020年の英経済は14.3%縮小と予測した。7月のドイツZEW景況感指数は59.3と事前予想や前回値を下回った。5月ユーロ圏鉱工業生産は前月比+12.4%と回復したが、事前予想には届かなかった。
ドル円は107円台前半での取引。東京午前に107.37レベルから107.12レベルまで下落した。その後は持ち直しの動きが続いている。ロンドン午前には東京朝方の高値を上回り、昼にかけては高値を107.40台へと広げる動き。JPモルガンの好決算が発表されており、このあとのNY株式市場の動向が期待されているようだ。
ユーロドルは1.13台後半での取引。序盤に1.1325レベルまで下落したあとは、上昇に転じた。足元では高値を1.1373レベルまで広げている。ユーロ円は121.50近辺で下げ止まると、買いが優勢となり高値を122.15レベルに広げている。ユーロポンドの買いが継続しており、0.9030近辺から0.9085近辺へと上昇している。欧州株は売りに押されているが、取引中盤にはかけては下げ幅をやや縮小している。米株先物が時間外取引で反発しており、リスク警戒の動きは緩和されている。ただ、米中の南シナ海をめぐる対立が鮮明になっており、新型コロナ感染拡大とともに心配な材料となっている。一方、JPモルガン決算が強かったことで米株高への期待も。7月のドイツZEW景況感指数は59.3と事前予想や前回値を下回った。5月ユーロ圏鉱工業生産は前月比+12.4%と回復したが、事前予想には届かなかった。
ポンドドルは1.25台前半での取引。1.2550近辺を下回ると安値を1.2507レベルまで広げた。その後の戻りは鈍く、ユーロドルとは対照的な動き。ポンド円は134円台半ばを下回ると、安値を134.18レベルまで広げた。その後は下げ渋りも134円台半ばまでにとどまっている。対ユーロでのポンド売りが継続して持ち込まれている。5月の英月次GDPは前月比+1.8%と事前予想+5.5%には届かなかった。英予算責任局(OBR)は、最悪シナリオで、2020年の英経済は14.3%縮小と予測した。英経済成長への不透明感がポンドの上値を抑えている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。